求人広告制作で学んだスキルとコツについて
ここ最近、一つの殻を破るために毎日考えているのだが、中々纏まらない時間が過ぎていた。
答えがないところに面白い一手を打とうとしているので、中々「コレ!」とならないかった訳だが、ようやく光明が差してきた。
明日、その点をガッと詰めるための気分転換として、ずっと書きたいと思っていたが、筆を取れていなかったことを書いてみたい。
テーマは、求人広告制作で学んだスキルをについて、だ。
美容師、人事、総務と来てまたガラッと職種が変わったのが26歳の時。それから約5年同じ会社でお世話になっていた。もう約10年前になる。時間が経つのは早いものだ。
ここから大きく3つのテーマで書いていく。
まずは、「社会人としての基礎」、次に「情報設計能力と準備」、最後に「何かを作る喜び」。
今や求人広告も形を変えつつある。自社や外部のライターさんに発注しているケースも珍しくないだろう。
そんな時にも使える“求人広告制作のコツ”も少し織り交ぜていく。何かの参考にしてくれたら嬉しい。
社会人としての基礎
前述したように僕は美容師、人事、総務という社会人経験を持って求人広告の制作をはじめた。
お客様は常に相手から尋ねてくる。自分から客先に行くことはまずないという仕事ばかりだった。なので、お客様からお金をいただいてオフィスに足を運ぶという割と一般的な経験がなかったのである。
まず、勉強になったのはこんな当たり前のことからだった。
お客様に時間を借りて、取材を行い、内容を求人広告に落とし込むのが仕事。
大きく分けて3つの仕事に分けられる(本当はもっとたくさんあるのだが)。
取材、執筆(実際は写真も撮るし、画像も加工していた)、入稿。この3つだ。大きく3つに分けられると書いたが、実は飛び抜けて大切なフェーズがある。
それが取材だ。ハッキリ言って取材が滑ると後の工程は全て滑る。取材が失敗した場合、内容が薄くなり、お客様からの信用が低く、結果、ご満足いただけるものが作れないという悪循環に陥るわけだ。
求人広告はフォーマットが決まっており、基本その枠に書くことを聞くわけだが、これが中々難しかった。
出だしの掴み(アイスブレイク)を好むお客様もいればそうじゃない場合もある。相手の表情や仕草で判断しつつ、エントランスから会議室までの間に切り出し方を考えなければならない。
そうした細かなテクニックがまず、対面上で必要。
取材については時間を見ながら執筆するための材料を集めていくわけだが、大切なポイントを一つだけ書いておく。
とにかく聞く。これが僕なりの正解である理由はその会社のことはその会社にしかない情報だからだ。
何百人も取材していると同じような話の展開に慣れてくることがある。ただ、採用課題は案外千差万別だったりもするのだ。
そこで何で上手くいっていないのかトコトン聞く必要がある。課題を見つけたらその課題を整理して、解決策を提案するもよし、ほかの魅力でカバーできるのであれば、そこを押し出せばいい(ここは後述する)。
ちなみに、読者に伝えるために詳しく聞かせて欲しいと前置きすればよほどの状況じゃない限り親切に話をしてくれるはずだ。
自分ではなく読者のため。ここをメインに置くと質問もしやすくなると思う。
取材とは材料を取ると書く。どんなに腕のいい職でも材料が少なければいい料理は出せない(中には作る人もいると思う)はずだ。
材料集めの方法は聞くことにある。つまり、とにかく聞くことが大切なのだ。
一方で、業界、業種、職種についての一般知識は身につけておく必要がある。ここがベースにあれば取材を簡略化できるし、スムーズなコミュニケーションが可能になる。
社会人の基礎がなければ求人広告の制作はできないと言っても過言ではない。逆に言えば、ここを通過すれば一定水準の知識と経験が手に入るということだ。
ちなみに文章力を気にする方もいると思うが、日本語なので読めれば基本的には問題ない。むしろ、上手いなって人の方が稀である。
上手くなりたければ人より考えて書くしかないのだ。質を意識しつつ量を書けば必ず上手くなる。これは保証できる。なぜならば、過去最大級に文章が下手と言われた僕が、今でも文章でお金をもらつているからだ。
情報設計能力と準備
続いては情報設計能力について。これは前述した取材の結果をどう伝えるのか?という点に集約されるわけだが、求人広告(媒体)のフォーマットはサービスによってまちまちなので、ここでは取材についてもう少し触れていきたい。
と、全く触れないと小見出しサギになるので少しだけ。結論、起承転結、結承転提のいずれかで構成されていれば問題はない。
これは台本を作るときにも用いられるテクニックだが、最初と最後が一貫していれば途中の寄り道はある程度許容されるのだ。
閑話休題。
取材の話に入ろう。僕と一緒に仕事をしたことがある人は知っていると思うが、僕は取材前に台本を作っている。
下調べした結果、何を聞くのか。どんなことを聞かなければならないのか?を全てまとめてから取材に臨んでいる。
何だったらアイスプレイクで話すネタも決めている。
自分用の取材依頼書(勿論、毎回全て書き下ろしている)を作り、その道筋通りに進めていく。
アドリブよりも確実に狙って作る。丼勘定ではいいものは生まれないのだ。
この台本から逸脱するのは、よほど面白い話しがでてきたか、よほど面白い話しがない時だけ。9割以上がこの台本で上手くいく。
その場で何とかなるなんてほぼやったことがない。怖くて出来ない。多少ビビるくらいで丁度いい。
準備が9割。後は手を抜かないこと。これを僕は大切にしてきた。
求人広告制作のコツだが、僕は物語を大切にして欲しいと思う。人はストーリーに惹かれる生き物だ。
「あなたの話なんぞ知らん!」と第三者に思われるだろう。実際、そうした取材を受けた側も、採用系のインタビューは友人のもの以外ほぼクリックすらしないはずだ。
ただ、その会社を受ける求職者にとっては違う。転職を意識した時に、意味のあるコンテンツになっているはずだ(書き手の腕にもよるが)。
社会人として何かをする時に必要な準備のスキル。これも求人広告制作で学んだことである。
何かを作る喜び
いよいよ最終章だ。これが求人広告制作一番の醍醐味かもしれない。
お客様の採用成功に貢献した。と、実感した時である。
苦労して広告を作った甲斐があると素直に思える。セールスの仲間からも感謝の言葉をもらえる。こうした成功体験が積み重なると「この仕事、悪くないな」と思える。
勿論、そんな甘いことばっかりの仕事でもない(なかった)わけだが、いい経験になったのは確かである。
何かを作って世に出すのは素晴らしいことだ。これからの時代、「あなたにやって欲しい」と言われる側にならなければならない。正確にはいつの時代もそうだったが、それがより顕著になりつつある。
今、求人広告の制作をやりたいと思う人はどれくらいいるのだろうか。最近、界隈の人にも会っていないので、実際のところは分からない。
僕が今行っている宣伝の仕事にも当時の経験は確かに生きている。興味がある人にはぜひ、一度チャレンジして欲しい仕事だと今は思っている。
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