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ペルソナ5SのUXが素晴らし過ぎる

昨日からようやく本腰を入れて『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(以下、ペルソナ5S)』のプレイをはじめた。

バトルシステムこそ大きく変わったが、ペルソナシリーズらしさは健在だ。

仲間たちと紡ぐ青春と謎が謎を呼ぶストーリー構造。そして、センスのいいビジュアルとBGM。その全てが超蒼穹名作ゲーム『ペルソナ5』よ続編だった。

まだ、プレイを始めて最初のジェイルをクリアした所なので、ネタバレも何もないのだが、大きく2つの魅力があったので、ここでまとめておきたい。

タイトルに書いた通りだが、『ペルソナ5SはUX』が素晴らしい。これはゲームデザインとしての難易度設定などではない。

誰でも、どこでも使えるシンプルで大切なユーザー体験が『ペルソナ5S』にはあった。

※ 物語の本質には全くタッチしていないので、見てもマイナスにはならないと思うが、体験版に収録されている範囲でのネタバレがある。真っ白な気持ちでプレイしたい方はここでストップすることを推奨する。

最高のプロローグ

『ペルソナ5』をプレイしたユーザーを最高の形で再び世界観に戻すにはどうすればいいか?

このテーマに対して、最高のプロローグを作っているのが、『ペルソナ5』の特徴である。物語の冒頭、主人公が自分が住んでいた「喫茶店ルフラン」に帰ってくるシーンからストーリーは始まる。

中に入ると、主人公が帰ってくることを待っていた仲間たちがクラッカーを鳴らして...。という展開だ。ベタ、メチャクチャにベタな展開だ。

「『ペルソナ5S』を買ってくれてありがとう!」というスタッフの声をそれぞれのキャラクターが代弁しているようにも思う。が、この演出が究極的に素晴らしい。

僕が『ペルソナ5』をプレイしたのはおそらく3年以上前だったが、そんなことはお構いなしに、一気にストーリーに引き込まれた。

僕は主人公の名前を主人 公にしているのだが、再びこの世界に帰ってきた実感があった。ポジティブな展開で幕を閉じた『ペルソナ5』であれば、その続きは明るく元気な雰囲気で。

元々、『ペルソナ5』が一人ぼっちでのスタートだった。ただ、続編では最初から苦楽を共にした仲間たちがいる。この違いが物語の冒頭から大きな違いを生んだのだと思う。

プレイヤーを『ペルソナ5S』の世界へ誘う最高の体験がそこにあつた。

バトル中に飛び交う声

『ペルソナ5S』はいわゆる“無双シリーズ”のバトルシステムが導入されている。バトルのみは、従来のJRPGとはほぼ別物に仕上がっていると言っても過言ではないだろう。

僕は今年で36歳になった。なかなかアクションゲームに疲れてくる年齢である。

正直、『ペルソナ5S』の発表時に迷った理由もここにある。もう少しゆっくりプレイできるゲームだとありがたいのだが、といった具合だ。そういった心理を見越してかかなり細かくチュートリアルが仕込まれていた。

ただ、それ以上に大きかったのが戦闘中に見方から飛び交うメッセージだ。

とにかくジョーカー(主人公)を褒めてくれる。

「やったな!」、「さすがだぜ!」など褒めのパターンが半端じゃないパターンとなっている。

「キレてる!キレてるよ!」、「デカイ!」、「チョコパイ!!!」とボディービルの会場では選手を鼓舞する声が飛び交っているようだが、本当にそんな感じだ。

バトル中にうまく技が決まったり、避けたり、弱点を突いたりすると褒められるので、ちょっとテンションが上がってしまう。

この年になってくると中々褒められる機会もないため、新鮮さも相まってプレイしていて、非常に気分がいいのである。

敵と戦いつつ何だか気分が良くなってくる。『ペルソナ5S』のバトルシステムはこれまでに感じたことがない体験だった。

本質的に認めるということ

『ペルソナ5S』をプレイしてみて改めて感じたのが仲間たちから見た主人公の信頼感か半端じゃないということである。

「お前にしかできない」、「あなたがそう言ってくれると嬉しい」。など、明らかにリーダーとして全幅の信頼を得ていることが分かる。

なかなか現実の自分と照らし合わせてみると、胸が痛くもなるのたがこうも思った。

一緒に働く仲間に対しての期待値をとことん上げていれば、全員か気持ちよく働けるのではないか、と。

僕がフリーランスになって以降、つまらないと思ったことが2つある。まずは、アウトプットの成果が見えないこと。次にアウトプットが沢山の一つになるので、どんなに努力しても「ありがとうございます」くらいで終わってしまうことだ。

サラリーマンが会社の歯車ならば、フリーランスは歯車を回すための歯車。それくらいの感覚だった(今はかなり状況が違っているが)。

『ペルソナ5』流に自尊心を満足させる仕組みをが作れば、常にいいメンタル状態で働くことができるのではないか?と思っている。

とにかく褒める、褒めまくられるだけのSlackチャンネルを作るもよし、スタンプで激しく称えるもよし。

そうした一つのアクションで人の満足度はガラッと変わるのだ。

リモートワークが普及した未来

今後、コロナ問題が落ち着いたとしても導入したリモートワークを継続する企業も多いと思う。

そこで大切になってくるのが帰属意識だ。リアルでのつながりが希薄になれば当然、うまい話に転がりやすくなる。

また、新しい何かを生み出そうとする時もそうだ。細かいプレスト、いや正確には雑談でアイデアを膨らますタイプが一定数存在する(僕が完璧にそのタイプになる)。

通勤コストがなくなり、生産性が上がる変わりに組織全体での雑談が減る。結果的に、組織というコミュニティの中で形成されている自分が薄くなる。

単純にコミュニケーションの総量が減るのだから、それもそうだろう。

短期的な影響は小さくとも中長期的に見たらインパクトが出てくる企業も出てくるはず。その時を見据えて、今から『ペルソナ5』流のUXを学んでみるのもありかもしれない。

集まった時には最大級に「会いたかった(ちょっと大げさだが)」と伝えること。普段の仕事には150%で褒めること。

そんなことをプレイ1時間以内で教えてくれた『ペルソナ5S』は間違いなく快作と呼べる仕上がりになっているはずだと思いつつ、筆をおきたい。

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