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優しい世界を創るには。

東京駅のど真ん中で、、
不覚にも涙が溢れてしまった。
普段は厳格で近寄りがたい母からの電話で
たった一言の、温かい言葉に触れたから。
人を”孤独”から救うのは、一人の人間の優しさだ。

孤独のメカニズム

都会の毎日は本当に忙しい。
忙しいことが、素晴らしく良い事のように…
人々の歩く速度も、話のペースも、話題そのものも、
世の中は、流れるように変化し続けていく。

初めて、社会へ出て企業で働き、
「とにかく稼がなきゃ!」と
学費と生活費のために、がむしゃらだった頃、
私自身も、”その流れ”から外れないようにと、
必死に動き続けていたような気がします。

順調に結果が出ているとき、
周囲の人間関係が良好なとき、
体力、気力が満ちているとき、
孤独を感じることはありませんが、、

ある日、
信じていたはずの人に裏切られる。
小さな、嘘に気づいてしまう。
自分の存在を否定されてしまう。

物理的な”孤立状態”でなかったとしても、
人を信じることができなくなった瞬間に、
人は孤独に陥ってしまいます。

人間は社会的な動物である

アリストテレスの有名な言葉ですが、
人間は、自己の自然本性の完成を目指し、
努力しながら、ポリス的共同体
(善く生きることを目指す人同士の共同体)を
つくることで完成に至るんだそうです。

これは、他の動物には見られない、
人間特有の独特の自然本性であると考えられ、
今日、人間が反映し続けてきた理由と思われます。

だから、
社会的な”つながり”や、必要な支援が、
不足していると感じてしまったり、、
人との対話の欠如や、自分に対する
理解や共感を得られないと感じてしまうと…
つらい。

人間が健全に生きていくためには、
他者とのつながりや関係性が重要であり、
”望まない孤独”は、、
心身ともに様々な影響をもたらすのです。

孤独に効くのは”優しさ”

世界中に、たったひとりでいいから…
「その気持ち、良くわかる!」とか、
「それって、いいね!」
「一緒にやりましょう!」なんて、、
共感や応援してくれる人が現れたり、

「大丈夫ですか?」
「お荷物を持ちましょうか?」などと、
優しい言葉をかけてくれる人に出会えば、
孤独な心は、軽くなりそうです。

会社を退職し、起業した当時、
資金繰りに行き詰り、
何度も、何度も、金融機関を訪れては、
心無い言葉を浴びせられ…
心が折れそうになった時期があります。

冷たい社会に、、
「なんで、誰もわかってくれないんだ!」と
悔しい気持と、言いようのない孤独感と、
万策が尽きて、そこへ座り込んでしまった。

私は無意識のうちに、
数年ぶりの母に電話をかけていました。

電話に出た母は、
何事かがあったことを察したのか、、
明るく、他愛無い世間話をしてくれました。

唯々続く、母の世間話を聞いていると、
涙がこぼれてきます。
無力で、情けない自分と、母の偉大さに。
私に何も聞かない母は、最後に一言だけ、

「もう十分、がんばったでしょう。」
「会社経営なんて、がんばらなくていいのよ。」

号泣。

2022年3月に永眠した母も女性起業家でした

孤独から解放されたとき

人の思いやりや温かさ、
人の優しさに触れると、、
一気に心が晴れていくようです。

分かってくれる人がいるというだけで…
勇気と希望が満ちてきます。

弱っている人や、
孤独に陥りそうになっている人がいたら
思いやりのある、優しい言葉を投げかけたい。
言葉だけでも、、
十分パワーがあるのですから。

そういう、
温かい社会を創りたいと、私は思っています。








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