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【スターチスの枯花 〜入院の記憶〜「藤吉夏鈴」】22話

⚠️閲覧注意⚠️この先ストーリーが進むにつれ、読む人によっては不快な内容が含まれます。

夏鈴の安堵した顔を見て気持ちがぐちゃぐちゃになり、酷いことをしてしまった。
合わせる顔がないけどこれ以上夏鈴に心配をかけたくない。

しばらく離れてた我儘な感情が戻ってくる。

「居た」
「夏鈴......」
「何かあったんでしょ」
「.......」
「同棲してからずっとタバコ吸ってなかったのに」
「.......玲とたまたま会った」
「え!?なんで!?」
「先輩の結婚式で近くに来てたらしい」
「嘘......」
「安心して、バーで一杯だけ飲んだだけでちゃんと戻ってきたから」
「......どんな話したの?」
「実家に帰るから荷物を回収するか2人で住むか決めろって......」
「玲ちゃんの家だったの?」
「いいや、2人で借りたけど名義が玲ってだけ」
「そっか......」
「夏鈴はどうしたい?」
「......そこに住むのは嫌かな」
「そうだよね」
「○○は私の部屋でも大丈夫?狭くない?」
「僕は問題ないよ」
「なら良いけど.....」
「お金溜まったらちょっとだけ広い部屋に引っ越そう」
「そうだね......他には?何か言ってた?」
「........それだけ」
「.....そう」
「........さっきはごめん」
「.....ちょっとだけ怖かった」
「ごめん.....感情のまま動いてしまった」
「いいよ別に。私だってそういう時あるもん」
「.......ごめん」
「気にしないで」
「.......」
「戻ろう?」
「うん」
「.......お風呂上がったらすぐ寝ちゃって、やばって思って起きたら○○居ないんだもん。寂しかった🥺」
「ほんとは飲み物買いに行くだけですぐ戻るはずだったんだけどね.....いやごめん言い訳だな」
「ううん、信じてるから」
「ごめん.......」
「もう!ごめん禁止!気にしてないってば!」
「でも」
「だって玲ちゃんと別れてまだ4ヶ月でしょ?そんな簡単に忘れるほど浅い関係じゃなかったじゃん」
「そうだけど.....さっきあぁ言ったくせにって」
「それとこれとは別!私にはちゃんと○○の気持ち伝わってるから」
「......ありがとう」
「そう!もっと感謝しなさい!」
「......笑  何に怒ってんだよ笑」
「笑笑」

夏鈴の頬にはうっすら涙が伝った跡が見えたけど、今触れたらきっとまた気を遣わせてしまう。

ーーーーーーーーーーー

「○○〜起きて〜朝ごはん食べに行くよ〜」
「......んあ....?もうそんな時間?」
「おはよ」
「おはよう」
「さっき起こしたのに二度寝するからさ〜」
「......今何時?」
「7時30分」
「まだ寝れるじゃん.....」
「だーめ。モーニング食べに行くよ」
「いいじゃん夏鈴も寝よ」
「うわぁっ!」
「夏鈴ちゃん良い子だね〜」
「ちょっと頭触るな。綺麗にしたんだから」
「......」
「......なに?」
「可愛い」
「なに寝ぼけてんの」
「寝ぼけてないよ」
「じゃあ早く起きなさい。○○待ちなんだけど」
「温泉一緒に入る?」
「うっ......入る」
「え?綺麗にしたんじゃなかったの?笑」
「したけど......昨日一緒に入ってくれなかったから」
「何期待してんの?冗談に決まってんじゃん笑」
「もー!!ばか!!ばかばか!!」
「痛い痛い笑」
「早く起きて!」
「分かったって......zzZ」
「寝るな😠」

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