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【スターチスの枯花 〜不変の記憶〜「大園玲」】3話

⚠️閲覧注意⚠️この先ストーリーが進むにつれ、読む人によっては不快な内容が含まれます。

あれから私は大学と家を行き来するだけの生活になった。なんらいつもと変わらない生活。

○○くんが居ないこと以外は

プルルルル📱
「玲!!」
「......先輩」
「やっと繋がった.....どうしたんだよ、いきなり音信不通になって......心配したんだぞ」
「すみません.....気づかなくて....」
「.....大丈夫か?何かあったのか?」
「..........○○くんと別れました」
「そういうことか......今どこにいる?」
「大学です」
「今から行くから待ってて」

ーーーーーーーーーーー

「お待たせ.....だいぶやつれたな......ちゃんと食べてる?」
「食欲なくて.....」
「看護師の卵がそれじゃダメだろ.......今からウチに行こう、ちゃんと食べてくれ」
「........ありがとうございます」
「.....大丈夫だから」

そう言って先輩は私を車に乗せて走り出した。

「どうして別れたか話せる?」
「......私が○○くんを放っておきすぎたんです」
「......その分勉強頑張ってたもんな」
「頼るだけ頼って......○○くんを独りにさせてしまった.....」
「......看護師の勉強してるキミに詭弁を言っても仕方ないから事実の話をするが、確かにキミが悪い」
「そうですよね.....」
「でも別にキミだけが悪いわけでもない」
「........」
「○○くんに玲が何故そこまでして看護師になりたいか理由は話してたんだろう?」
「はい......」
「........理解....されないよな......いや理解されないと言うより"できない"が正しいか」
「........」
「医療従事者は仕事の性質上、家族やパートナーの理解が必要不可欠......元より難しかったのかもな」
「........」
「........何か曲でもかけよう....好きなアーティストは?」
「あんまり知らなくて....」
「じゃあ適当に流すよ....疲れてるだろう?僕の家まで少し距離あるから眠たかったら寝ても大丈夫だから」
「はい.....」

ーーーーーーーーーーー

「玲」
「......ん」
「寝れた?」
「少し.....着いたんですか?」
「いや、食材が足りないからスーパーで買い物して帰ろうと思って.....どうする?」
「行きます」
「気分悪くなったらすぐ伝えてね」
「はい」
「玲は好きな食べ物とかあるの?」
「和食が好きで」
「和食か!美味しいよね?」
「先輩も好きなんですか?」
「そうだね僕も基本的には和食だね。病院に居ると基本和食ばっかり見るから自然とね笑」
「そっか.....」
「中でも好きなのある?」
「.......肉じゃが」
「肉じゃがね、僕も好き」
「美味しいでよね」
「さやえんどう入れる派?」
「ないとダメ派です」
「良かった笑  僕、さやえんどう美味しく食べるための料理だと思ってる節あるから」
「一緒......ですね笑」
「やっと笑ってくれたね笑」
「え....?」
「玲にはできるだけ笑っててほしくてさ....ほら看護師に笑顔は必須だから」
「すみません.....」
「言ったそばから......笑」

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