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【スターチスの枯花 〜入院の記憶〜 「藤吉夏鈴」】18話

⚠️閲覧注意⚠️この先ストーリーが進むにつれ、読む人によっては不快な内容が含まれます。

「へ〜.....美味しそう.....」

夏鈴はテレビを観てるとよく独り言を言ってる。
最初はそんなことなかったから単純にかまって欲しいのだろう。こういう時は積極的に来ないところを可愛いなと思い始めた。

「どれ?」
「ハンバーグ」
「はいコーヒー」
「ありがとう」
「どこなの?」
「横浜」
「遠いな.....」
「さっきはハヤシライスとかなんか大きい唐揚げとかあったよ」
「へ〜......行く?」
「..........ん?」
「横浜行く?」
「..........誰と?」
「夏鈴と僕で」
「..........え!!!!?」
「ビックリした!急に大きい声出すなよ」
「なになになにえ?どういうこと?」
「だから旅行する?ってこと」
「.....いいの?」
「美味しそうだし」
「え、なんで急に?」
「いつも夏鈴に冷たくしちゃってるからたまには飴を与えてもいいかなって」
「沼だ......」
「は?」
「ほかの女の子にもそうやってるんでしょ!!!」
「いや今は夏鈴以外話す人居ないから」
「結婚したいってこと?」
「一言も言ってないが」
「えへへ.....嬉しい.....」
「おい.....苦っ.....」
「コーヒーの味だね」
「そうやっていきなりキスするな」
「したかったんだもん」
「いつ行く?」
「明日明後日シフト入ってないよね?」
「うん」
「私、明日入ってるけど代わってもらうね」
「いや、そこまでしなくても」
「あとにしたら楽しみすぎて寝不足で倒れるよ?」
「自信持って言うな」
「え〜どこ行く〜?さっきのハンバーグもいいけど定番のカレーもいいし〜.....あ、でもホテルとかが先か!」
「笑笑  楽しそうだな笑」
「大好きな人と旅行なんて楽しいに決まってんじゃん」
「そうか笑」
「あ!見て!ここのホテル駅近なのに安いよ!」
「それラブホじゃない?」
「私は良いけど」
「却下、僕がなし」
「え〜.....」
「こことかは?上の方に止まったら景色良さそう」
「オシャレ〜.....」
「こっちだとちょっと歩くけど同じ値段でダブルベッドにできるよ」
「狭い方がいい」
「なんで?」
「そっちの方が密着できるから」
「聞くんじゃなかった」
「ふふっ笑  てかベッド一緒でいいんだ?」
「もういいかなって。毎朝起きたら隣に居るんだからなら最初から一緒でいいかって」
「努力が実った.....」
「他の事に回せよ、その努力」
「ここ部屋に露天風呂ついてるよ」
「いいじゃん部屋についてるならゆっくり出来るし」
「一緒に入っちゃったりなんかしちゃったりしてキャー🫣」
「しない」
「勝手に入っちゃお」
「帰るよ?」
「え〜.....それはやだ」
「じゃあここで予約しよっか」
「支払いどうする?」
「僕、貯金あるからそこから出すよ。夏鈴お金ないし」
「悲しいのと嬉しいのと罪悪感が交互に来て複雑」
「喜べば?」
「......」
「キスしろって言ってない」
「ほっぺだから良いじゃん」
「移動は......JRだから大丈夫だし.....」
「私そろそろバイト行く準備しなきゃ」
「こっちでなんとなく色々見とくね」
「好き」
「ありがとうだろ笑」
「ううん、好き」
「はいはい」
「シャワー一緒に入る?」
「......ここ美味しそうだな」
「無視......🥺」
「早く行け笑」

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