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【スターチスの枯花 〜入院の記憶〜「小田倉麗奈」】24話

⚠️閲覧注意⚠️この先ストーリーが進むにつれ、読む人によっては不快な内容が含まれます。

「それから藤吉さんは?」
「それから1ヶ月後にstage4に進み......進んで......進.......」
「.......すみません辛い事を」
「いや......こちらこそ気を遣わせてしまって....」
「これ使ってください」
「ありがとう....ございます.......今思えば玲もこういう気持ちだったんだなと」
「そうですね.....我々医者も日々感じてます」
「そうですよね.....」
「2週間連続で人の最期に関わることもありました....」
「......」
「お気持ち察します、なんて簡単には言えません。ただあなたの応急処置は話を聞く限り、その場でできる最大限の処置をしたと思います」
「こんなことになるなら諦めず勉強しておけば良かったなと思っても帰って来ないんですよね.........こんな気持ちを玲1人に背負わせてしまったんです」
「互いに責任感が強いのですね」
「2人とも負けず嫌いなんです.....だから仲直りも出来なかった.......だから当然と言えば当然の報いなんです」
「......」
「すみません....しんみりさせちゃって.....」
「いいえ、職業柄よくある事なので」
「.......今回の事は忘れることにします」
「それも1つの選択肢ですね......足は動きますか?」
「いえ......まだ」
「レントゲンを撮った限り目立った外傷はありませんでしたし、神経系も無事でした。過度なストレスによる転換性障害の可能性もあるので明日精神科にも診てもらいましょう」
「分かりました」
「眠れそうですか?」
「そうですね.....話を聞いてもらったら少し眠たくなってきました」
「私や看護師たちでよければお話を聞きますので、遠慮せずいつでも頼ってください」
「ありがとうございます」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」

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「玲ちゃん.....もうこれ以上は無理だよ!」
「旦那さんって.....今ごろお仕事ですかね?」
「関係ないじゃない!」
「それとも.....車で保育園に息子さんを迎えに行ってる途中でしょうか」
「なんで.....!!?」
「せいか〜い🙂」
「.......分かったからお願いだから家族には手を出さないで」
「人聞きが悪いですね、私はただお2人と遊ぼうとしてるだけで」
「.......薬を差し替えればいいんでしょ?」
「さすが保乃さんは優秀ですね」
「そろそろバレるよ......」
「私は構いませんがそうなって困るのは保乃さんでしょう?逃げることはできたのにしなかった.....もう共犯ですよ」
「くっ........次で"さいご"だからね」
「ええ、それで十分です。では」

.......これで最後か。
彼に私のこの辛さが伝わったんだろうか.....。
その後、すぐに就職してキャリアを積んで貯金も1,000万......無いものは夏鈴ちゃんだけ。
そんなの私が赦すわけないじゃない





















全部あなたのせいよ

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