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【グラジオラスの花束 〜何度LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう〜「村山美羽」】12話



入院して1週間半。
検査の結果、後遺症の可能性は低いと退院が許された。

「お世話になりました」
「なりました」
「いえいえ、元気になって良かったです」

大園先生にお礼を伝え、病院を後にする。

「美羽ちゃん夜ご飯何が食べたい?」
「なんでもいいの?」
「うん!」
「焼き芋食べたい」
「焼き芋でいいの?笑」
「うん」
「いいけど.....もうちょっと栄養あるものにしない?笑」
「なんでもいいって.....笑」
「ま、いっか!」
「いぇ〜い」

家に戻り、結冬に電話をかける。

「もしもし」
「無事家に帰りました」
「良かった.....」
「ご心配お掛けしました」
「ううん」
「またご飯とか行きたいです」
「なんでさっきから敬語なの?笑」
「え?なんか...なんとなく.....笑」
「笑笑  いいよ行こう」
「明日とかは?」
「いやさすがに明日は安静にしとけよ笑」
「えぇ...寂しい.....」
「それに明日なぎも部活のちバイトだから、どうせならみんな揃ったときのほうが良いじゃん?」
「明日なぎ休みじゃないの〜....」
「うん」
「なぎのばかって言っといて」
「任せろ」

次の日、家に居ても特にやることがないので久しぶりにマーメイドに来た。

「いらっしゃい!」
「こんにちは」
「あ!美羽ちゃん!久しぶりだね!」
「お久しぶりです」
「好きな席、座って!」
「カウンターでもいいですか?」
「うん大丈夫だよ〜」
「焼きオムライス食べたいです」
「は〜い」
「.....あと占いもして欲しいです」
「いいよ〜.....ちょっと待っててね〜」
「はぁい」

店内は相変わらずオシャレで、心が落ち着いた。
ふと、壁に貼ってあるバイト募集の紙を見つける。

「.....海の家」
「あ!そうだ!美羽ちゃんやってみない?」
「バイトですか?」
「うん!今回『渚』とのコラボ店だからなぎちゃんも居るよ!」
「え!ぜひやりたいです」
「良かった笑  あ、そうだ結冬くんもバイトしてなかったよね?」
「たぶん?」
「良かったら誘ってみてよ」
「分かりました」

なぎと沢村くんとバイトかぁ.....楽しそう.....。

「よし!今日は何を占いの?」
「これって私以外の事も占えるんですか?」
「例えば?」
「.....友達とか」
「大丈夫だよ!」
「へぇ.....」
「何を占うの?」
「その人の夢が叶うかどうかで」
「よし...じゃあ...この中から1枚選んでね」
「.....これで」
「『星』の正位置.....」
「どういう意味ですか?」
「その人の将来、希望に満ち溢れてるみたい!」
「そっか.....」
「人の善意を疑う事なく行動に移せるからきっといい方向に進むと思うよ!」
「そっかぁ.....笑」
「嬉しそうだね笑」
「はい、嬉しいです笑」
「大好きなんだね、その子の事」
「大好きかぁ.....」
「.....はい!お待たせしました、焼きオムライスです!」
「頂きます」
「熱いでs」
「熱っ」
「もう.....ゆっくり食べてね?笑」
「すみません.....笑」

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