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【スターチスの花束 〜入院の記憶〜「大園玲」】21話

⚠️閲覧注意⚠️この先ストーリーが進むにつれ、読む人によっては不快な内容が含まれます。

『いらっしゃい。お好きな席どうぞ』
「ウィスキーロックダブルで」
「私は梅酒ロックでお願いします」
『かしこまりました』
「それで?.....何か話があるんだろ?」
「うん......」
「勿体ぶらず話せよ」
「私にもタイミングがあるの」
「......そうだったな」
「..........元気だった?」
「あぁ別に変わりない」
「そっか......」
「.......」
「.......」
『失礼します......ごゆっくり』
「ありがとうございます」
「.......今日結婚式だったのか?」
「うん明日帰る」
「田村先輩?」
「うん、保乃さん.....幸せそうだった」
「そっか....言ってくれれば祝儀包んだのに」
「一緒に行かなきゃ意味ないでしょ」
「.......そういうの連絡しろよ」
「.....ブロックされてると思ったから」
「.......まぁそうか」
「............」
「.......その......勉強どう?」
「.....ぼちぼち」
「.......悪かった」
「.....なにが?」
「その......酷いこと言ったなと思って」
「やめてよ.....逆なんだから」
「.......」
「ごめんね.....誕生日忘れてた訳じゃないの」
「もういいよ別に.....そもそも期待なんてしてなかったから」
「.....これ」
「........なに?」
「ほんとはあの日渡すはずだったプレゼント」
「悪いけどもう貰うことはできない」
「一旦受け取ってよ....その後は好きにしていいから」
「........分かった」
「.....ほんとに連絡届いてなかったの?」
「........何を今更」
「.....見て」
「........は?そんなの来てない」
「.....夏鈴ちゃん○○くんのスマホの暗証番号知らなかったっけ?」
「やめろよ夏鈴を巻き込むな」
「だって」
「それ以前にもう終わってたんだよ」
「.....じゃあ一つだけ訂正させて」
「なんだよ」
「私が会ってた人は前のバイト先の先輩で一足先に看護師になったから勉強見てもらってただけ。なにも関係は持ってない」
「信じられるかよ、1年も何も無かったのに」
「それは......」
「勉強のためだろ?俺だってそれを求めてた訳じゃないけど、必要最低限しか関わらなかったら気持ちだって次第に薄れていく事くらい解ってたはずだろ」
「......ごめん」
「........別にもう今更どうでもいいよ」
「......」
「それにもう俺は夏鈴と過ごす覚悟をしたんだよ.....もう手遅れなんだよ.....」
「......」
「ご馳走様......気をつけて帰れよ」
「○○くん....」
「..........じゃあな」

途中ゴミ箱を見つけてポケットに入ってるそれを置いていこうと思ったが、それから出てきた紙切れがそうさせなかった。

『ごめんね    玲より』

そう一言書いてただけなのに

ーーーーーーーーーーー

「あ!○○!!どこ行ってたの?電話にも出ないし!心配したんだk」
「........」
「.......ん"ん"っ!.....ねぇどうしたの?」
「........黙って」
「待って.......痛いってば!」
「........」
「ねぇ!どうしたの?変だよ?」
「........ごめん、タバコ吸ってくる」
「ちょっと!」
「........」バタン

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