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【スターチスの枯花 〜入院の記憶〜「小田倉麗奈」】10話

⚠️閲覧注意⚠️この先ストーリーが進むにつれ、読む人によっては不快な内容が含まれます。

「検査の結果、おそらく最近出た新薬の過剰摂取ですね」

ずっと診てくれてる小田倉先生。

「副作用って事ですか?」
「えぇ、本来気持ちを落ち着かせる効果がある薬なのですが副作用で長期の記憶障害を引き起こすので一旦使用禁止になったはずです」
「ほんとですか?」
「そして当病院には大園玲という看護師は居ませんでした」
「え!?でもたしかに昨日......」
「看護師の守屋にも連絡が付きまして、確認したところ彼女も記憶が曖昧らしく似た症状が出ているのでこれから彼女も検査してもらうところです」
「そんな......」
「そしてお見せすることはできませんが、監視カメラに不自然な箇所がありました」
「不自然な箇所?」
「えぇ、なんの偶然か守屋が本来定期検査に行く時間に電波障害で映像が乱れているのです」
「そんなこと有り得るんですか?」
「近々監視カメラを新しいものに変更する予定だったんですが、なにせ古い病棟なので.....」
「........」
「足はまだ感覚ないですか?」
「はい.....」
「診てもよろしいですか?」
「大丈夫です」
「.......特に見た目の変化はないですね......後でレントゲンを取りましょう」
「分かりました」
「呼吸しにくかったりしませんか?」
「......いえ特には」
「そうですか.....他にどこか異変は?」
「腕が痛いです.....」
「あぁ......おそらくここからその新薬を静脈注射したのでしょう」
「静脈注射だとやっぱり効くのが早いんでしょうか?」
「ええ、ご想像の通りです。こんなに刺したあとがあるなんて.....よっぽど急いでいたか、あるいは.....」
「............あのこれ警察には?」
「いえ、まだ証拠不十分なので連絡してません」
「しないでください」
「......え?」
「その......犯人.....犯人って呼ぶのも嫌ですが一応元カノなんです」
「でももう少し発見遅れれば最悪心肺停止してました」
「それでも警察には連絡しないでください」
「分かりました。ただ守屋の検査結果次第で連絡させていただきます」
「......分かりました」
「ひとまずは落ち着きましたか?」
「おかげさまで」
「○○くん」
「はい」
「今日は寝れそうですか?」
「......おそらく」
「寝れなかったら言ってください。睡眠薬などは反応が怖いので出せませんが話し相手にはなります」
「でも他の患者さんは?」
「今夜は○○くんだけなので話す時間くらいは作れます」
「ありがとうございます」

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