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【スターチスの枯花 〜不変の記憶〜「大園玲」】2話

⚠️閲覧注意⚠️この先ストーリーが進むにつれ、読む人によっては不快な内容が含まれます。

随分前にプレゼントした腕時計がボロボロだったのを思い出した。

「既読......付かないなぁ.......」

やっぱりブロックされてるんだろうか......。
そうだカレンダーアプリ......今日バイトだ......。

「でもバイト先に行くの嫌がってたしなぁ......」

📺
『行動したって何も変わらないかも知れない!!でも行動した気持ちが大事なんじゃないですか!!』
『そんなの行動した後に成功したから言えるんだよ』
『待ってください!!』
『もう手遅れだよ!!!』
『......そんなこと言わないでください』

「行動かぁ.......」

ーーーーーーーーーーー

『いらっしゃいませ〜』
「すみません.....」
『はい!如何されました?』
「○○まだ居ますか?」
『彼女さん....ですか?』
「あぁはい、大園玲です。いつも○○がお世話になってます」
『あ〜!大園さん!ちょくちょく聞いてます!』
「あぁ......どうも.....」
『ただ、今日暇だったんで2時間前に早上がりしたんすよ』
「今日って夏鈴ちゃんも居ました?」
『藤吉さんすか?入ってましたよ!』
「ありがとうございます.....」
『応援してます!🫡』
「ありがとうございます🙂」

想像しうる限り1番最悪な答えだった。
今更会ったってもう遅いかもしれない......。
それにこの時間帯もしかしたら........

「でも今日だけはちゃんと会って話さなきゃ......」
嫌な予感に限って的中する。

「○○くん!」
「玲......」
「........やっぱり」

彼は見たことない服とセットしてない髪で夏鈴ちゃんの部屋から出てきた。もうそれだけが全てを語っていた。

「おい!待てよ!!」
「離して!!」
「待てって!!」
「やめて!!」
「.....話をしよう」
「する必要ない」
「.....そっちだって連絡すら寄越さなかったくせに」
「はぁ?」
「分かったよもう終わりだこんなの」
「こっちのセリフ」
「家は好きに使え、俺は藤吉の所に住む」
「最低」
「もう関係ないだろ」
「ほんとありえない」
「お前だって俺の他に男居ただろ。気づいてないとでも?」
「それは......!」
「もううんざりなんだよ。勉強ばっかして俺の誕生日すら忘れて......」
「.......!」

忘れてた訳じゃない.....でも気にしてなかった事実が声を出すことを許さなかった。

「これでやっと勉強に集中できるな」
「○○......」
「じゃあな...."大園さん"」

彼の後ろ姿と奥に見えるパジャマ姿の夏鈴ちゃんが次第にぼやけていって、気づいたら家の天井を見ていた。

もう......本当に終わったんだ

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