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THE END

中谷武司協会でサトナカサトナカの次に人気なのがこちら。

Tシャツです。これは一番売れている「The END」Tシャツ。着る人は単に見た目のロゴだとかを重視されるかも知れません。Tシャツせよなんにせよ「物が作られる」というのはそこへ至る経緯というのがあります。

もともと昔の映画の最後に出てくる「The End」の文字が大好きな武司。というか、映画に使われているグラフィックはかなり好き。

こちらは彼が蒐集したThe End。コメントとともにどうぞ。

The End of Warner Bros.
50s Hollywoodの End title
これはご存知 The End T-shirts のデザインに採用し商品化。今年も2019 version 制作・販売準備中 !!

The End of Metro Goldwyn Mayer (MGM)
同じく 50's
なかなか洒落てる

The End of Twenty Century Fox
同じく50's in Hollywood
これも cool !!

そして日本からは、東宝か松竹だっけ?
「砂の器」の End credit
アタシはこのように洋画邦画、特に昔のエンド・タイトルを秘かに蒐集して楽しんでおります。

元より、彼の絵には常に「終末概念」が見られます。2015年に描かれた「苦痛の勇者たち」(紙にアクリル)という作品群に発する、シリーズの中にこういった映画の「The End」を集めたものがあります。それが「The Ends 終たち」

「The Ends 終たち」はこの作品群の一番最後を飾るもので、そこへ至る作品として次の4つがあります。

「Sleeping birds 眠れる小鳥たち」

「Ghost ship 幽霊船」

「Diva 女神」

「Holy Oyster 聖なる牡蠣」

以上すべてgouache on paper 2015 / 23 x 30,3cm ©Takeshi Nakatani 2015

武司からのコメントは以下のとおり。

kings of pain 「苦痛の勇者たち」

小鳥の番・つがいの小さな死から始まり、いくつかの断片的なイメージで紡ぎ、聖なる生牡蠣で紡ぎ、The End のオンパレードで終う。
そんなショートフィルムの様な構成の絵画シリーズをカラフルなアクリルガッシュ画で創ってみたかったのがこちらの作品。

つまり、この作品の先に出来上がったのが、The ENDのTシャツなんでございます。来てる人は多分そこまでは全然考えてないと思うけど、そういうことなんです。ちなみに、このTシャツの後ろには「C11H17N3O8」という化学式が書いてあり、これはフグ毒の「テトロドトキシン」とのこと。

「フグ毒でThe End」という分かりやすい図式でもあるのですが、本来このThe Endも一連の絵画のシリーズから派生したもので、ちなみに、フグで有名な三重県安乗にある安乗神社のお守りも武司がデザインしていますので、このフグもまた、一連の武司の作品が関係しているうえでのフグ毒なんでございます。

このように、大体において武司は「デザイン」をデザインしているのではありません。彼のデザインは詰み重ねたものの中でほんの少しだけ露出した、氷山の一角なんでございます。一見なんでもないようなものでも、そこへ至る武司の思考というのが必ずあって、それを発掘する面白さもまたあると思います。

ちなみに、「苦痛の勇者たち」の中の、小鳥の死、幽霊船、歌姫、The endsはそれぞれ、なんか「死」とか「終わり」とかのエッセンスがあるので分かるのですが、なんで「牡蠣」?って思って聞いてみました。

まあ、こういうところも含めて武司ということで。それではみなさま、よい令和をお迎え下さいませ!


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