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複数言語話者は多重人格!?第三言語で生活する苦労

私は現在ノルウェーに住んでいるので基本はノルウェー語で日常生活を送っています。日本で通っていた大学では教職の授業以外全ての授業が英語で、ノルウェーで通った大学院の授業も英語だったのでノルウェー語は私にとって第三言語です。

ノルウェーには一年の交換留学期間も含めると計4年間ほど住んでおり、4年も住んでいればペラペラでしょ、と思われるかもしれませんがそんなことは全然ありません。職場でいつもと違うことが起きたり突然話を振られたりするとビクッとします。ノルウェー語で話を聞くのに結構精神力を使うので仕事の後はぐったりします。休憩中のおしゃべりも苦手で可能な限りスマホを見ながら一人で黙々とご飯を食べます。

私の第二言語は英語ですが、英語も全くペラペラではありません。大学や大学院などアカデミックな場所でしか英語を使ってこなかったので英語の文献や論文は読めても英語の小説なんかは難しくてなかなか読みたくありません。授業で発言するときも周りがみんな英語を流暢に話している中、自分のアクセントを聞かれるのが嫌で出来るだけ端的に必要最低限だけ話すようにしていました。

第三言語で仕事する苦労

先日、働いている施設で利用者が急変し救急搬送されたことがありました。夜間だったのでその場にいたのは私だけで、違う施設に連絡して人に来てもらい、救急に電話して患者の状況を伝え、簡単な処置をし、救急車に同乗しました。
そんな状況は初めてだったので私自身もパニックになり救急に電話した時はしどろもどろでした。処置の仕方も頭には入っていたものの実際にするのは初めてで間違えていたらどうしようとドキドキでした。
一気に色んなところに連絡をしないといけなかったので電話が苦手な私にとっては本当の試練でした。
私のノルウェー語の能力のせいでミスが起こってしまったらどうしようかと泣きそうでした。福祉施設は人の命を預かっている、責任がとっても重い仕事だと改めて実感しました。

日常生活でのノルウェー語

日常生活ではそんなにストレスがないかと思うかもしれませんがそうでもありません。
臆病なので店や道で突然話しかけられたり、そこまで仲の良くない近所の人との付き合いなんかは正直しんどいです。職場の同僚とのパーティーなどに誘われてもすぐ帰りたくなっちゃいます。

言語によって性格が変わる?!

ノルウェー語で話している時の私は結構冗談を言ったりおちゃらけたりします。対して英語で話している時の私は結構モノをストレートに言う真面目な性格です。

多分これは英語とノルウェー語を学んだ環境のせいです。
英語は主にアカデミックな環境で話してきたので白黒はっきり、分かりやすく、真面目に話さないと聞いてもらえません。
対照的にノルウェー語は家、職場の特別支援学校や福祉施設で使ってきたので冗談を交えて優しく丁寧に話すのが癖になっています。
日本語はどうかというと多分アホな感じだと思います。大阪育ちなのに慣れない人とだと大阪弁が出ませんし、かと言って標準語はそんなに流暢じゃないのでなんかたどたどしい感じになります。さらに最近は日本語を話していないので特に日本語で話すと変な感じになっちゃいます。

三ヶ国語話せるメリット

上に挙げたとおり、三ヶ国語使って生きていてもどの言語も流暢とは言えないのですが(欲を言えば日本語には自信を持ちたい)、それでもそれなりにメリットはあります。
それはネットフリックスのドラマや映画を片っ端から観れることです。
ノルウェー語ができると割とスウェーデン語やデンマーク語もわかるので北欧のサスペンスものなんかはよく見ます。
日本語のドラマも面白いものが多いし、韓国ドラマも日本語字幕や日本語吹き替えがあったりするので楽しめます。
もちろん英語の色んな映画やドラマがあるのでそれもたくさん観れます。

あとは欲しい情報を割と簡単に手に入れられます。日本で出回っている噂、デマ(?)の真偽なんかも英語で調べると出てきたり、元ネタがわかったりします。北欧ならではの情報なんかはやはりノルウェー語かデンマーク語(デンマーク語は書き言葉はほとんどノルウェー語と一緒)が早くて正確です。

あと一番嬉しいのは色んな友だちができることです。
日本の友だちはもちろん、日本語を勉強しているノルウェー人の友だちや、共通の趣味のあるノルウェー人、ノルウェーに住む外国人なんかとも仲良くなれます。色んな言語で色んな人と話すと結構発見があります。

三ヶ国語使って生活することは結構大変ですがストレスフリーな生活を目指してこれからも精進します。

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