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#2021年の100冊 4月に読んだ本ベスト3

#2021年の100冊 は、ジャンル問わずとにかく本を読んで勉強することを目的に開始しました。4月30日時点で43冊なので、月10冊程度の計算です。

1位:「クララとおひさま」(カズオ・イシグロ)

日本生まれのイギリス人作家、カズオ・イシグロノーベル文学賞受賞後の初作品。歩きスマホならぬ歩き読書しちゃいそうなくらい、久しぶりに夢中でページをめくりました。

AF(人口親友)が人間の子どもの相手をしている近未来のような世界が、AFの視点で描かれています。人間も人間で、遺伝子操作をされていそうです。

2位:「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン)

知らない世界を知ることの楽しさ。文章を通したほうが世の中を知れるタイプの人間にとっては、この手の文才溢れたサイエンティストが世の中との通訳みたいな貴重な存在です。

「3 以上の自然数 n について、
xn + yn = zn となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない」

このシンプルなフェルマーからの挑発的な1文が、数学者を300年以上苦しめたのです。事実は小説より奇なり。

3位:スマホ脳(アンデシュ・ハンセン

Facebookの「いいね」機能を作った人は、今とても後悔しているといいます。なんてものを作ってしまったのだと。

人間の脳が進化するスピードよりずっとずっとはやく、人間が生きる環境は変わってしまった。人間の10-15%は他の人間に殺されていたような狩猟採集民のときから、脳は殆ど変わっていない。いつ死ぬかわからないから、カロリーの高い食べ物を好み、誰が仲間で誰が裏切り者か知っておく必要があるから生死に関わる情報収集に対してドーパミンが出るようになっている。

目の前の相手より、スマホからの情報にドーパミンが出てしまう。
脳は、「かもしれない」が大好きで、誰かから連絡がきている「かもしれない」プッシュ通知や、誰かから1件「いいね」がついている「かもしれない」SNSに脳は中毒されている。すぐ刺激的な情報が得られない、クラシック音楽のような習い事をする子どもは減っているんだそう。

あなたは1日何時間スマホをさわっているでしょうか?
1日2時間使っていたら、1年で1ヶ月分スマホをさわっていることになるんですよね。わたしは、1日3-4時間さわっているみたいです。

4月のリスト12冊

ベスト3は以下の12冊から選びました。
ノンフィクション7冊、小説5冊。
和書8冊、翻訳書4冊。
自分で選んだ本5冊、人が勧めていた本7冊。
あるいは、村上春樹2冊、非村上春樹10冊。

#32「ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥編」(村上春樹)

「第1部」を読んだから読みました。「第3部」早く読まなきゃ。

#33「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン)

数学が好きな方より、数学は好きではない読書好きの方におすすめかもしれません。

#34「海」(小川洋子)

「博士の愛した数式」の著者の短編集。タイトルに惹かれて読みました。
彼女にしか書けないような官能小説が出てきてとても印象的でした。エロは苦手、ってしっかりあとがきに書いてあって納得しました。

#35「フランス人は10着しか服を持たない」(ジェニファー・スコット)

見た目に気を遣うこと、ときめきを大事にすることをしっかり影響受けた本です。久々に読み返しました。

「だらしなかったアメリカ人」の目線で書かれているので、「やってみよう」と勇気が出ます。

#36 「春になったら苺を摘みに」(梨木香歩)

「西の魔女が死んだ」の著者が、絵本作家に師事するため英国に滞在していたときのエッセイ。大好きで何度も読んでいます。

#37 「クララとお日さま」(カズオイシグロ)

書いたとおり、4月のベスト本です。カズオ・イシグロのノーベル平和賞受賞後初作品。

#38 「2020年6月30日にまたここで会おう」(瀧本哲史)

伝説の東大講義2時間が1冊になった本です。

自分の人生は自分で舵を取れって話なのですが、交渉学から、拠り所としての教養の話や、人生や挫折経験は他人には盗めないって話や、刺激的な世界が広がっています。

なんとこの方、2019年に40代で亡くなってしまったんですよね。事実は小説より奇なり。

#39 「霊が教える幸せな生き方」(シークエンスはやとも)

霊が怖くないということはわかったけど、影響を受けやすいのであんまり直視できないページもありました。

#40「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン)

これを読んで、iPhoneのSNS使用可能時間を40分に設定してみたり、目覚まし時計をiPhoneアラームではなくて時計にしてみたりしたけど、スマホいじりって10年くらい染み付いているからなかなか厳しいな。

#41 「ミドリムシ博士の超起業思考」(鈴木健吾)

天才研究者のアントレプレナー的思考法。
「ミドリムシで飛行機を飛ばす」ためにバイオ燃料を12年かけて研究して、ANAとも提携して、工場にも70億円投資して、国際認証もとって、2021年にやっと飛ぶ。はず。

研究は社会実装されてやっと意味がある。といくら考えていたとしても、この時の長さに耐えうるために必要なのは研究の内容そのものではなくて、戦略的な思考で裏付けされた確信と、そして情熱なんだろうと思った。

#42「中国行きのスロウ・ボート」(村上春樹)

1980年代に書かれた短編集。このうちの「午後の最後の芝生」があるnoteで絶賛されていたので即買った。
でも村上春樹はやっぱり中編小説とエッセイが好き。

#43  「管理職1年目の教科書」(櫻田毅)

仕事術は自分のスキルの話ですが、この本で学んだのは「チームの底力を上げるためにマネージャーができることは何かということ。当たり前ですが。

印象に残っているのはあとがき。「管理職になったとき、あなたは部下の時間、人生の一部を預かることになる」いう主旨の言葉。なぜなら、あなたの方針や指示に従って部下が時間を使うからです。

5月は、1冊に時間をかけてでも、積読している読み応えのある本を読み切ることに挑戦しようと思います。

「人新世の資本論」(斉藤幸平)
「Zero to one」(ピーター・ティール)
「門」(夏目漱石)

などなど。



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