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ワーホリでの生活2014。オーストラリア:ケアンズ vol.1
地元の福岡空港を出発し、2014年5 月23日、オーストラリアはケアンズに到着。
入国審査、荷物を受け取りを済ませ、空港の外で、自転車の入った、大きな段ボールを開封し自転車を組み立てる。
日本で練習はしていたが、おぼつかない手で組み立てを進める。通りがかったおじさんは、自転車をおさえててくれたりと親切にしてくれた。
この町の人は、英語もろくに喋ることができないアジア人に対しても優しいようだ。
自転車を組み立て終わり、ケアンズの中心部へ向かう。30分くらいの距離にあったように思う。
町の中心部に着いてから、数件のホステルを尋ねて、中心から少し外れたあたりにある、バックパッカーに決めた。
オーストラリアでは、旅人向けの安宿をバックパッカーという。ここで数日過ごし、今度の予定を立てることとする。
ケアンズは、日本から7時間と国土の大きなオーストラリアの中では、一番近い都市だ。とは言ってもそれほど大きな街ではない。
しかし、毎年かなり多くの観光客が訪れる。世界自然遺産グレートバリアリーフがあるからだ。
それはこの都市に降り立った理由でもある。ダイビング関係の仕事で働くためだ。
大学4年の夏休みを利用して、アジアをバックパッカー(リュックサックを背負って、あまりお金をかけず旅をする人)として旅をした。
大学の近くの旅行会社のお兄さんの話で、タイではダイビングをした方がいいと聞いており、アジア旅一発目のイベントとしてタオ島で、ダイビングライセンスを取ることにした。
2週間ほどの島の生活で、当初予定していた、PADIのオープンウォーター、アドバンスドオープンウォーターライセンスの2種類に加えて、追加でレスキューダイバーのライセンスを取得した。
その後、3ヶ月弱のタイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、カンボジア、ベトナム、ラオス、インド、ネパールのアジア旅を終え帰国。
それから、大学卒業間近の2月に再度、タイのタオ島へ。ビーチが目の前のバンガローを借りてそこに住みながら通常2ヶ月から、3ヶ月かけて行うと言われた、ダイブマスターライセンスの取得トレーニングを1ヶ月強で受けた。
大学卒業間近で滑り込みで、ダイビングのプロライセンスを取得。というわけで、ダイビングに大ハマりしたのである。
親は漁師。目の前が港、歩いて5分で砂浜。
夏休みには毎日海で泳いで遊ぶ。というロケーションで育った僕としては、ダイビングを始める前から、ハマりそうだなとは感じていたが、ダイビングのプロライセンスを取るまでにハマるとは思わなかった。
バックパッカーの旅と、ダイブマスターライセンス用費用は、大学の奨学金と、中学時代の友人から借りた。
貴重な経験をさせてくれた、友人には感謝している。
大学を卒業する頃には、自転車での世界一周と、ダイビングインストラクターとして働くという、2つの夢ができていたのである。
ケアンズについてすぐに、考えていたのは、半年間ダイビングインストラクターとして働き、残りの半年を自転車で旅するというものだった。
着いた翌日に、日本語が通じる現地では有名な、ダイブショップ(スキューバダイビングのコースやツアーなどを行なっている)に行って、働くことができるのか、話を聞いてみた。
内容としては、ダイブマスターライセンスをもっていて、半年間働きたいという趣旨だったのだが、ダイブマスターライセンスでは仕事はなく、働くには、インストラクターの資格が必要とのことだった。
そのダイブショップでもインストラクター取得のコースは行っているが、自分のダイブギア(ダイビングに必要な道具類)の購入の必要もあると言われ、合計で50万円ということだった。
ケアンズに到着早々、見事に計画が崩れ去ったのである。
初めての週末。遅めの朝ごはんをとっていた時。
街でもらった、フリーペーパーのイベント欄にのっていたフリーマーケットが近くであることを思い出し、出かけてみた。
フリーマーケットでは、各々が、シートの上に売りたいのもを売っていた。商業的なものというよりは、本当に家で使わなくなった、洋服や、キッチン用品, DIY用品を売っているようだった。
その中で、「おっ!」と目に止まるものを発見した。中古のダイビングギアが売られていたのである。
しばし話を聞いてみる。道具を売っていたのは、ダイさん、ここケアンズでダイビングしながら住んでいる日本人の方だった。
ダイさん
ケアンズ歴は10年以上で、この日も奥さんと娘さんも一緒だった。
数日前にケアンズについたことや、ダイブマスターのライセンスをもっているが、働くのは厳しそうだという話をすると、ダイさんも元々ワーホリでケアンズにきて定住した経験もあってか、協力してくれるという話になった。
昨日行ったダイブショップでなくてもインストラクターにはなれると言われ、「インストラクターとっちゃよ。」と背中を押され、単純な僕はその気になり、ダイさんの友人、ケンジさんを紹介してもらえることなった。
ケンジさんは、コースディレクターというダイブライセンスをもっており、それは最上級のライセンス。
インストラクターを育てることができる、インストラクターである。
PADIのライセンスの種類は、ざっくりいうと、
・オープンウォーター(水深18mまで潜れる)
・アドバンスドオープンウォーター(30mまで潜れる)
・レスキューダイバー (その名の通り、人を助ける訓練。陸上や水面でのスキル取得多め。)
・ダイブマスター(ここからがプロライセンス。働くことができる。ライセンス取得済みのダイバーをガイドして潜ることができる。)
・インストラクター(ダイビング未経験者をトレーニングして、ライセンスを与えることができる。)
この後、数多くの種類のインストラクターライセンスがあり、
最上級のライセンスがケンジさんのコースディレクターである。ダイブマスター取得者が、コースディレクターの元でトレーニングを受け、筆記と実技の最終試験に合格することにより、晴れて、PADIインストラクターになることができる。
先に言っておくと、ダイビングの仕事はハードだがめちゃくちゃ楽しいので、海で楽しく仕事したい人はおすすめです。
ということで話が逸れたが、ライセンス取得に興味がある方は、ホームページを覗いてみるといいかも。
PADI アジアパシフィック
そんなこんなで、ダイさんはめちゃくちゃいい人で、ダイビングギアも、超協力価格、破格の3万円で譲ってくれた。
BCD, レギュレーター、ウェットスーツ、フィン、ブーツ、シュノーケル、マスク。
かなり使い込まれていたが、このセットが3万円で買える事はまずないと思う。
そんな形で、ケアンズに着いてすぐ,、忙しなくすぎる中でも運よく優しい人にも出会え、幸先のいい数日でした。
朝から、晩まで所用で外を動き周り。
宿のバックパッカーでは、自炊し他の旅人と話をして過ごす。
実に5年ぶりの旅人生活は、まだ数日ながら、僕にサラリーマン時代の東京の喧騒を忘れさせ、出発前のそわそわと不安感を払拭してくれた。
何よりバタバタと終わりの見えなかった出発準備から解放された事。
夕陽を見ながら飲むケアンズの薄いビールは、会社を辞め、全てを捨てて、夢を叶えるための旅へ飛び出したという選択が、間違いではなかったと感じさせてくれ、何よりうまかったのでした。
続く。
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