退屈しない人生。

旅を長く続けていた。

一日、一日、自転車を漕ぎ、キャンプしながら、ガソリンバーナーで、ご飯をたき、お気に入りの黄色い寝袋で、今日も一人眠りにつく。

朝起きて、テントのジッパーを開ければ、毎朝、違う景色が飛び込んでくる。手早く、マットや、寝袋をまとめて、テントを潰し、自転車に乗せる、また違う場所へ、べダルを強く踏み込む。

そんな毎日を過ごしていた。

しかし、2020年、パンデミックにより、旅を続けられなくなり、初めてこんなに一つの場所に滞在をした。

今までは、毎日、違う場所にたどり着くために、落ち着いて考える暇はなかったが、充実してはいた。毎日違う景色、新しい出会い、食べたこともない、うまくもまずくもない料理たち。

改めて、なぜ旅を続けているのか、どんな人生を送りたいのかを考えてみた。

退屈しない人生。

そんな人生を全うしたい。

遊んでもいい、仕事をしてもいい、大切なのは、毎日が楽しい事。

明日死ぬかもしれないから。

何をしていたら、退屈しないかなんて、人それぞれ。

1人、1人が毎日退屈しない人生を生きている。そう胸を張って言える事。

人の評価なんてどうでもいい。それでいいじゃないか。

僕にとっては、それが旅だったのかもしれない。

毎日、新しい人に会い、違う場所に行く。ルーティーンがないから疲れるし、しんどい時もある。でも、退屈なんてしない。

自分にとって楽しいと思えない、退屈な日々を過ごしていると、自己肯定感が下がり、いざ、人にあっても楽しくもないし、テンションも上がらない。

退屈しないためには、いつもチャレンジしている必要がある。

毎日のルーティーンの仕事や、遊びが楽しくて、退屈しないのであれば、最高だ。

でも、毎日の生活が退屈なら、違うことを始めてみればいい。やっぱり好きじゃなかったり、また飽きたらやめればいい。仕事だって、住むところだって、人間関係だって、同じ。飽きたらやめればいい。

ワクワクの匂いがする方へ。ワクワクの光が微かに瞬く方へ。

退屈しないために生きる。

長く生きるではない。

お金があれば、退屈はしない。

でも、お金がなくても退屈しない方法は、いくらでもある。

退屈しないためにお金を稼いで、稼いで、たまった頃には、中年を過ぎている。

そんな人生を否定するわけではないが、僕は違う。

日々に忙殺されない、常に考える時間を持つ。

旅をしている時は、1ヶ月に、1万円くらいしか使ってない時もある。充実もしている。

月に1000万使ったって、虚無感にさいなまれ、退屈に過ごしている人もいるはずだ。

死ぬときに、一番お金を持っているなんて、もったいないと思う。

毎日、楽しく過ごすために、何が最善なのか。働くのか、趣味に没頭するのか、友達と遊ぶのか、恋人に愛を伝えるのか。

人それぞれが、他人の目を気にする事なく、胸を張って自分の最善の選択ができればいい。

世の中の人たちが、それぞれ、自分の生きたい人生を送れますように。