【山遊び】山に答えを探す
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5月19日の日曜日、バックカントリースキーに出掛けて、これが今シーズンの板納め。
昨年の12月から5月まで、約半年の長いシーズン。ボクにとって3年目のシーズンが終わった。
簡単なところから、難易度の高い山まで、費やした日数は26日。
2月にコロナに罹患し、その後も喘息が続いていたので、それがなければもっと行っていたと思う。
我ながら、今シーズンは滑りまくったなぁ。技術はまだまだだけど。
それに体力が足りない。近所のプールに通おうかな。
今年はひとりで行くことが多かった。
バックカントリーは普通の登山より危険が多いので、単独行はあまり褒められたものではないが、ひとりだから得られることもある。
自分のペースで、自分の力だけで、ルートを見極め、登頂して滑走する。
自分で判断してクリアする、その感覚が楽しい。誰かに案内されたり、連れて行ってもらったのでは味わえない楽しさ。
もちろん、その山、そのエリアに詳しい人に案内してもらった方が、効率よく登れるし、良い斜面を滑ることができる。
ガイドツアーはまさに、それをお金で手に入れる楽しみ方。
だけどボクは、そのお手軽な楽しさより、失敗したとしても、自分で判断した山行の方が楽しい。
Aという山をクリアできたなら、BとCも行けるかも。そこをクリアすれば、D、E、Fも行ける可能性が高くなる。
技術だけではなく、経験や判断力が培われて、行動範囲が広がることが嬉しい。
もちろん、楽しみ方は人それぞれなので、ボクのやり方だけが正しいとは思わないけど、連れて行ってもらっているだけでは、いつも自分が行きたいところに行けるとは限らない。
連れて行ってくれる人次第だから。
上手く言えないけど、この感覚っていろんなことに当てはまる気がする。
仕事とかね。
会社の方針に逆らって、自分のやりたいことをやる訳にはいかない。
自分のやりたいことがしたいなら、リスクを負って独立するしかない。
だからボクは会社勤めができなかったんだろうな。
そんなボクだけど、人を連れて行くことは嫌いじゃない。
それは、その人の可能性が広がる手伝いをするということで、ボクも嬉しさを共有できる。
ただ、連れて行ってもらうのが当たり前と思うようになる人もいるので、それには注意するようにしている。
ここが難しいところなんだけど。
パートナーとしてイーブンな関係を作れる相手なら良いのだけど、山の嗜好や技術、体力、考え方が近く、さらに気が合う相手というのは、なかなか現れるものではない。
山登りをしていると、こうやって自分のことが見えてくる。周りからどう見られているかも感じられることがある。
そして、自分が抱えている矛盾も。
だからこれからも迷いの中で、答えを探すように山に向かうのだろうな。