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【バーチャル登山】月山(山形県)

心琴さんの「バーチャル登山」。
療養中や外出が困難な時 心だけでも 気分だけでも 一緒にお出掛けしましょうという企画です。


(2716文字)

今日は出羽三山で有名な、山形県の月山(がっさん)に登ろう。
登る前に、ちょっとこの山のことを知っておこうか。

月山は出羽三山信仰の山で、1200年以上前に開かれたとされてる。
昔は必ず入口となる寺で許可を得て、先達と呼ばれる山伏に案内されて登ったんだよね。
今でも信仰で月山に登る「月山講」の人たちもいて、山の至る所に昔からの信仰を感じられる物や場所が残されているんだけど、まぁ、その辺は追々ね。

月山の登山道はたくさんあるんだけど、今日のコースは北からの羽黒山口コース。昔はここから20キロくらい北にある羽黒山から歩いたけど、今は標高1390mの八合目まで車で行けちゃうから楽チン。
では行ってみよう。

月山八合目レストハウス

登り始めてすぐに弥陀ヶ原湿原。最初から森林限界を過ぎているから、いきなりこんな景色が楽しめるんだよね。
黄色い花はニッコウキスゲだね。

御田原参籠所とニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ

そしてここにあるのが御田原参籠所と御田原神社。
昔から、月山山頂まで行けない人がここでお参りしたり、泊まったりしてたわけ。
今でも祈祷もしているし、宿泊もできるんだよ。

御田原神社
鳥海山

お、後ろ見てごらん。鳥海山が見える。綺麗だねぇ。

庄内平野

こっちは庄内平野。奥は日本海だよ。
さて、先に進もう。
花がたくさん咲いてるよ。

ウサギギク
アカモノ
ハクサンチドリ

あら、ガスが出てきたね。まぁ、のんびりいこう。
そろそろ仏生池かな。

仏生池
仏生池小屋

ちょっとガスが出てきちゃったけど、九合目の仏生池に着いたよ。
仏生小屋で少し休もうか。

仏生小屋

中はこんな感じ。
食事もできるし、いろいろお土産も売ってる。
ここも泊まれるんだよ。一泊二食付きで。
ソフトクリーム食べる?

山で食べるソフトクリームは良いね〜。

これは柴燈祭の供養送り木。
月山では8月13日に月山本宮やここ、さっきの御田原参籠所の月山中之宮で、ご先祖供養で焚き上げられるわけ。お盆の供養だよね。
月山は神社なんだけど、神仏習合の頃の行事がこうやって続いているんだね。

東の斜面は7月でもまだあんなに雪が残ってるね。
冬の東北は西から冷たい風が吹くから、東の斜面に溜まっていくんだよ。
それにこの月山は西からの雲が最初に雪を降らせるところだから、とにかく豪雪地帯なんだよね。

なかなかガスが晴れないね。風はあるから抜けてくれると良いんだけど。

オモワシ山

あの向こうがオモワシ山。登山道はないから行けないけど。
月山の本当の頂上を隠して、頂上と「思わし」めるからオモワシ山なんだって。

コバイケイソウ
行者返し

ここは急斜面でちょっと頑張りどころの「行者返し」。
昔、山頂を目指した行者が、修行の未熟を悟られて羽黒山に返されたって言い伝えがあるんだって。
まぁ、ボクたちは返されることはないから頑張って。
あ、見て。

白装束は月山講の人たちだね。
多分、羽黒山の宿坊に泊まって月山に参拝してきた人たちだね。
昔は関東から東北にかけて、たくさんの月山講、つまり月山を信仰するグループがあったんだよ。今でも残っているけど。
彼らは必ず宿坊やお寺に泊まって、御祈祷を受けるなどしてから、山伏の先達で登ったわけ。
昔はここまで来るのには時間もお金もかかった。
だから講を作って、みんなでお金を出し合って、毎年順番に誰かが代表で参拝の旅に出ていたんだ。
昔の人は藩から出ることもない暮らしだっただろうし、みんなの思いを背負った冒険であり、楽しみでもあったんだろうと思うよ。
あの人たちも講かもしれないけど、今は体験観光のツアー的な募集もしているからそれかもね。

アオノツガザクラ

アオノツガザクラが小さくてかわいいね。
さて、そろそろ山頂だ。

月山山頂

着いた〜。登頂おめでとう!
空も晴れてきたよ。

頂上からの眺め

夏の山はいいねえ。
雲がなければ庄内平野から日本海がよく見えるんだけどね。
それじゃ神社でお参りしよう。

月山神社本宮

ここからは撮影禁止だから、カメラをしまって。
参拝料は500円。
入り口でもらった人型の紙で、全身を拭って、最後に息をかけてそこの水に浮かべて。これで体の悪いところを流すんだって。
さて、参拝して、御朱印ももらおう。

御朱印

神様を信じてるかって?
んー、難しいところだけど、神様がどこかに存在するとはやっぱり思えないかな。
でもさ、そういう神や仏にすがりたくなる気持ちは解る。
特に昔は飢饉があったり、生きていくことが今より難しかったと思う。
それでも家族の健康や地域の平和を願って、ここまで登ってきたんだよね。
そのたくさんの人たちの思いは、神様を信じるかどうかより、尊重しなければならないと思う。
そしてこの月山にはそうした思いが、とにかくたくさん積み重なっているんだよ。
だからこの山に登ると、優しい気持ちになれる気がするよ。

それじゃ、下山しようか。
上りと違う、リフトのある姥沢口に下りよう。

山頂小屋

あそこは山頂小屋。あそこも1泊2食付きで泊まれるんだよ。
月山の山頂に泊まってご来光を拝むのも良いかもね。
そしてちょっと入ったところにある花を見に行こう。

クロユリ

クロユリだよ。ちょうど咲いてたね。
そろそろご飯にしようか。今、持ってきた肉を焼くから。

ちょっとワイルドな男の料理だけど(笑)
ガッツリ食べて、ゆっくり休んで頑張って下りよう!
下りる前に、ちょっと本道寺コースの方に寄り道。

月山神社

ほら、ここから見る山頂神社が好きなんだよ。
本道寺も月山の登拝口で、昔から参拝の人たちがそこから登ってきたんだよね。今でも登山道として残っているけど、11キロくらいあるのかな。
そこから登ってきて、ここから神社が見えた時、感動しただろうね。

さて、それじゃ姥ヶ岳方面に。
ここは大きな岩の急な下りだから気をつけて。ゆっくりで良いよ。

ハクサンシャジン
ハクサンフウロ

あ、見て見て。スキーを担いだ集団がいるよ。
多分、どこかの大学のスキー部だよ。
さっきの本道寺コースの方に下っていくと、大雪城って呼ばれるところに、この時期でも雪原が残ってるんだよね。彼らはそこまでスキーを担いで滑りに行くんだよ。若いってすごい(笑)

四谷川

ここまで来れば、あとはもう楽な道だよ。

ここは右に行くと姥ヶ岳、左に行くとまっすぐリフト乗り場。
今日はまっすぐ下りよう。

こっちもニッコウキスゲが綺麗だね。
木道だから歩きやすい。のんびり行こう。

リフト上駅

見えた。
あとはリフトに乗って楽々。

リフト下駅

お疲れ様〜。頑張ったね〜。
月山はどうだった?
またどこか一緒に登ろう。
東北には良い山がたくさんあるからね。

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