マガジンのカバー画像

黄エビネが咲く庭で

21
このマガジンは、医療の小説です。 医療・製薬・ITなどのビジネスを手掛けてきた私、武知志英が、日本の医療の質を高め、日本に住む人たちが安心して生きていけるようにする処方箋を、実際…
運営しているクリエイター

#小説

黄エビネが咲く庭で (第四章 母のリハビリ、父のお見舞い)

黄エビネが咲く庭で (第四章 母のリハビリ、父のお見舞い)

第四章 母のリハビリ、父のお見舞い

 その日から、蒼生の父は毎日、妻が入院している病院にお見舞いに行った。
 連日、車で往復130km以上の距離を、妻の着替えや入院に必要な書類などを携え、自分で軽自動車を運転した。愛する妻に会うために、蒼生の父はハンドルを握った。
 大雪が降る日は、交通渋滞やノロノロ運転の中、片道2時間以上かかることもあった。それでも蒼生の父は、妻のお見舞いに行った。
 何があ

もっとみる
黄エビネが咲く庭で (第三章 蒼生の母の病、夫婦の愛)

黄エビネが咲く庭で (第三章 蒼生の母の病、夫婦の愛)

第三章 蒼生の母の病、夫婦の愛

 蒼生の両親は、東北の雪深いある地方に住んでいた。
 蒼生の母は、膠原病という難病を20年以上患っていた。蒼生の母は、膠原病によって腎臓が痛んで、高血圧になっていた。そのため、血圧を下げる薬と、血液をサラサラにする薬と、膠原病の炎症を抑える薬を服用し続けていた。
 主治医の治療のおかげで、治療開始後まもなく血圧は順調に低下した。だが、膠原病による腎臓の炎症だけがい

もっとみる
黄エビネが咲く庭で (第二章 日本のIT業界の革命児 吉田)

黄エビネが咲く庭で (第二章 日本のIT業界の革命児 吉田)

第二章 日本のIT業界の革命児 吉田

 蒼生と吉田の二人の飲み会から、数年ほど時間を遡る。

 吉田は、日本のITの世界では名が知られている存在だ。
 吉田は日本でのIT業界の先駆者であり、今でも最先端の生成AIや機械学習、ビッグデータの解析プラットフォームの開発、そしてそこに関する新しいサービスの開発にも自ら陣頭指揮を取っている。
 テレビやビジネス雑誌にも頻繁に登場し、取材を受け、最新のAI

もっとみる