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黄エビネが咲く庭で

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このマガジンは、医療の小説です。 医療・製薬・ITなどのビジネスを手掛けてきた私、武知志英が、日本の医療の質を高め、日本に住む人たちが安心して生きていけるようにする処方箋を、実際…
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2024年4月の記事一覧

黄エビネが咲く庭で (第十三章 日本の医療の課題)

黄エビネが咲く庭で (第十三章 日本の医療の課題)

第十三章 日本の医療の課題

 松坂のスマートフォンが鳴った。メールをしてきたのは、高校の同級生の鈴木だった。
 鈴木からのメールには、近々、松坂の仕事終わりに会いたいということが書かれていた。
 松坂は、鈴木がIT企業で仕事をしていることを知っていた。最近はお互いに忙しくしていたから、会うのは久しぶりのことだった。
 松坂は鈴木に、
「仕事の後に会って飲みながら話そう、日時と場所を調整させてくれ

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黄エビネが咲く庭で (第十二章 政治家と省庁と民間企業)

黄エビネが咲く庭で (第十二章 政治家と省庁と民間企業)

第十二章 政治家と省庁と民間企業

 吉田の会社の社員である鈴木が、厚生労働省に連絡を取ろうとしていた頃だ。

 厚生労働大臣の小川は、厚生労働省の厳選した数人と、デジタル庁の濱田とその部下数人、そして財務省と経済産業省との会議を招集していた。
 日本の医療DXを推進するための勉強会を立ち上げるための会議だった。 

 小川は濱田との対話の後、非公式で財務省、デジタル庁とも話し合い、日本の医療DX

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