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いざ!チョコ(カカオ)沼に喜んで飛びこもう!

色々なご縁から僕の周りには、最近チョコ沼の住人達が潜んでいる。もともと料理とカカオには興味があったこともあるのだがチョコ沼に飛び込もうと決めた大きな理由となったのは職場の近くにある渋谷スクランブルスクエア内に抜群のセンスで世界中からチョコを集めたセレクトショップ『c7h8n402』通称チョコ係さんの存在が大きい。

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各国から集められたチョコ達は写真のように丸いガラスのショーケースに並べられ、まるで宝石のように輝いている。30を超えたおじさん(僕)は気づいたら結婚指輪を探すカップルのように目をキラキラさせながらショーケースを何周もしていた。もちろん1人でだ。(不審者にも関わらずスタッフの皆さんは優しくとても丁寧に説明してくれました)

そしてチョコ沼と言ったらもう1人重要人物となる人がいる。仰かおる@チョコ沼の河童(旧名うさこ)さんだ。名前にある河童の字のとおり沼への誘導が上手である(褒めてます)

チョコ初心者のすべての人に対し両手を広げ歓迎し、分からない事に対しても丁寧に教えてくれる。こんな人がいる沼なら喜んで飛び込みたい。

ある日の夜中、TwitterのTLに流れてきた柳かおるさんのツイートがあった。数あるツイートの中でも、ひときわ目を引く綺麗な街並みの写真と共に「チョコレートライン」という文字が僕のアンテナに触れた。

どうやら「チョコレートライン」というチョコ専門店がベルギーのブルージュという町にあるようだ。いま考えると他にも惹かれた理由がいくつかあったのだろう。それは国の文化としてチョコだけに日常に溶け込んでいるのが素晴らしいなぁと思ったのと、写真にある鐘楼から見える街並みの景色の中のゴシック様式の建築だったり、運河と教会?が共存している写真がヴェネツィアを連想させるなど、ヨーロッパの風景が大好きな僕は強く惹かれたのだ。それから頭のなかはチョコでいっぱい。我慢できずに気づいたらスクランブルスクエアに足を運んでいた。

ツイートした瞬間にチョコ沼の住人達に見つかり、色々な美味しい情報を頂いた。更には「BONAJUTO」公式SNSでも歓迎してくれるほどこの世界は優しい人で溢れているのだ。(まだチョコ買っただけだよ)

普段ならレビューのような感想はしないのだが今回はnote に書き記してみようと思う。それによって皆さんの意見やアドバイス、次のオススメなどを教えてもらいたいという気持ちもあるからだ。

なので今回は知識を先に入れずに食べた時に感じた自分の言葉で残したい。なぜなら先入観で濁らせてしまうと変にカッコつけてそれっぽく語ってしまいそうだったのと、情報ならば僕より詳しいことはもちろんチョコに対して愛情が深いチョコ沼の住民の方々(何だそりゃ)の情報のほうがよっぽど精度が高いからです。

知識や情報は後からでも答え合わせは出来る。
それよりも今まで料理人としての僕が食材を調理するという意味では似ているようで実は全然違うジャンルのチョコレートの世界にどうアプローチし自分に吸収出来るのかの挑戦でもある。(何を偉そうに)

今回試食したのは4種類。

全てイタリアにあるシチリア州モディカの【Bonajuto〜ボナイュート〜】社のフレーバーチョコレートだ。他にも種類はあったが料理のヒントを見つけたかった事もありスパイスを中心としたラインナップを選んでみた。

①「カルダモン」

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カカオの香りと爽やかなスパイス香が漂う。
一口食べてみる。パキッ、思ったよりもしっかりめの固さで乳化剤を使用してない為かザラッとしたテクスチャーとプチプチした食感が楽しい。舌の温度でゆっくり溶けていくチョコはまず舌を締めつける苦味を感じるが奥にはしっかり甘みが支えていて安心する。息を吸い込むとカルダモン特有のエキゾチックな香りが頭まで抜けて余韻が長い。微かにレモンの皮を連想させるようなニュアンスがあったがすぐに見失った。
とてもエレガントな味わいで背筋が伸びる
僕が使うなら苦いエスプレッソに溶かしてスポンジに染み込ませたティラミスとか面白いかもしれない?



②「ゼンゼロ〜生姜〜」

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香りはダークチョコが主体で生姜の香りはあまりしない。
が!一口食べるとビックリ。カカオのほろ苦い味を追いかけるようにピリリと瑞々しい生姜そのもの連想させるキレの良い辛みが舌を刺激し目が覚める。たまらず鼻から空気を吸い込みハァーと息を吐くと、空気が通った口の中は、何故か森を感じるような清涼感が広がり心地良い。
刺激的なのにホッとする不思議な感覚。
ホットココアに一粒落としたら絶頂間違いなし



③「ぺーぺビアンコ〜白胡椒〜」

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生姜と同じく香りだけでは胡椒は感じない。少しかじると白胡椒らしい穏やかな香りとチョコの相性に衝撃を受けた。このチョコに対しとても気を遣ってるのが食べて分かるバランスで、胡椒のイメージからしっかりした味わいかと思いきや繊細な香りを計算した味のデザインで拘りを感じる。香り成分の強い皮がある黒胡椒ではなく外皮を除いた白胡椒を使用したのはその為だろう。マイルドな刺激はどこかチーズのような味わいもありキュっと引き締まる辛みはクセになる。
邪道かも知れないがチョコと香りの相性を存分に楽しみたくなったら砕いたチョコをお皿に並べて挽きたての白胡椒を少しかけたら良いかもしれない。ワインにも合うだろう。
料理ならカボチャの冷製スープにザクザク切ったこのチョコを浮かべて食べたら美味しいかも?!



④「マジョラム」

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料理で使うスパイスとしては僕は好きで、それこそトマトを使うイタリア料理との相性はバツグン。だからこそ1番チョコとの相性の想像がつかなかった。少し多めに口に含みザクザクした音を楽しみながら目を閉じ味に集中してみた。
ほんのり甘い香りのマジョラムらしさが上品で、味も丸みがありスパイシーさは、さほど感じない。バジルの新芽のようなほろ苦さと清涼感がアクセントとなって全体のバランスを調和している。決して主張はしないが鼻腔をずっとくすぐるような香りの余韻がセクシーだ。
寝る前にカモミールのハーブティーと一緒に口に含むといい夢見れそう。


今回は4種類だけだったが全体的に感じたのはハイカカオの苦みや渋みにかけ合わせる香りのバランスが絶妙すぎて感動したこと。
①、②のカルダモンと生姜は、もともと素材の香りや味が強いので調整するのはプラスかマイナスかでやりやすい(それでも凄い)と思うのですが、③、④の胡椒とマジョラムはとても勉強になった。胡椒の黒ではなく「あえて」白胡椒だったり、香りの近くて強いオレガノではなくマジョラムだったりと味のデザインが高度に計算されていることに驚いた。

そして思った。

「こんなに楽しい世界があるのか!!」

カカオ沼にハマる入門編にはベストなラインナップだったと思う。今度はイディリオやカカオフェルメントシロップ、カカオビネガーなるものも試してみたいなぁ

最後まで貴重なお時間を頂きありがとうございます 僕は料理しか作れないのでnoteはすべて無料で公開しています。 もし何か価値を感じてサポート頂けたら嬉しすぎて全力で、なつきます