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先が見えない時代を生きるには、つねに「積み上げること」を意識しよう

世界の「不透明感」が増してますね……。

ぼくらはこんな時代をどう生き延びていけばいいのでしょう?

これからの働き方、生き方を考えるうえで、ふだんからぼくが大切にしている考え方を紹介したいと思います。僭越ながら、なにかしらのヒントになればうれしいです。

流れの早い時代こそ「ストック」を重視する

毎日、状況はどんどん変わっていきます。

新型ウイルスの影響もありますが、そもそもインターネットによって、時代の流れはどんどん速度を増しています。情報もコンテンツも何もかも、どんどん生まれては消えていく。先週言っていたことが、今週には古くなっていたりします。スピードがなければ生き抜いていけない、と言う人も多くいます。

経済の用語に「フロー」と「ストック」があります。

フローは、簡単に言えば「流れ」ですね。一方、ストックは「資産」です。お風呂でたとえるなら、水道をひねってジャーッと流れる水量が「フロー」、たまっていく水量が「ストック」というわけです。

インターネット時代は、スピードの時代。まさに「フロー」が重要視されがちです。たしかにフロー、スピードは大切です。でも、ぼくが大切にしているのは「ストック」のほうです。そのときどきの流れの勢いよりも、どれだけの「資産」がたまっているかを意識しているのです。

日々の行動・仕事が積み重なっているか?

ぼくは、こういう流れの早い時代こそストックが大切だと考えます。だからつねに、日々の行動・仕事が積み重なっているか? 「資産」になるものかどうか? そこを意識しているのです。

資産とはつまり、人とのつながりを増やしていくこともそうですし、スキルを高めていくこと関わる仕事やお客さんが増えていくことも「資産」でしょう。

目の前の仕事をただこなしていくのではなくて、その仕事の先にある「本質的な価値」ってなんだろう? というのを、会社のメンバーや、関わる人達には考えながらやっていってほしいなと思っています。

それはちゃんと「資産」になっていくか?

ぼくは、ことあるごとに「積み上がることをやろうね」と言っています。

短期的に利益を出すことはあまり考えていません。考えていないというか、なぜか興味がないんです。昔から「いまがんばって、長期的に楽になるほうがいいな」って考えるタイプでした。

いま将来不安もあって「副業」を始める人も増えています。フルタイムで企業に勤めている人の中にも副業をする人は増えています。

ただ、副業をするときも、ちゃんと「積み上げ」になるかどうかは考えたほうがいいんじゃないかなと思います。すると「どんな副業をするか」という選択も変わってくるはずです。

たとえば「牛丼屋でのアルバイト」はどうでしょうか?

牛丼屋で働く理由が「飲食業界のことを知りたいから」など、その先につながることならばぜんぜんアリだと思います。でも「ただ手っ取り早くお金がほしいから」という理由で選ぶのは、あまりにももったいない。

特に若いうちにいちばん持っているのは「時間」です。

時間は「経験」や「知識」に変えたほうがいいと思うのです。時間を短期的な「お金」だけに変換していると、本来なら先々に得られたかもしれない利益を食いつぶしてしまう。5~10年経ったときに何も残らない、なんてことになりかねません。

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時間を使うなら、それが「積み上がっていくものなのか?」を意識してほしいのです。資産形成をするときも「複利(利子にさらに利子がつく)」の力を使うと最終的に得をすると言いますが、それと同じです。

すごい経営者ほど未来の状態から逆算している

どうしても経営をしていると、短期的(1年単位)での赤字、黒字ということにとらわれがちです。

でも、いろんな経営者の本を読んでいて、すごい経営者ほど未来の状態を描いて、逆算して行動できてるなってことに気づいたんです。

たとえばアマゾン。

アマゾンは、実は10年以上ほぼ黒字を出さずに運営してました。売上は伸びてるけど、利益はずっと横ばい。短期的な利益を捨てて、その分のお金はたとえば倉庫を作ったり、先々の利益にまわしてました。

そうやって長期で積み上がっていったものが、あとから効いてくる、もっといえば「楽になる」。人もこれと同じなのだと思います。

大手企業は「つみあがった資産」の宝庫

ベンチャー界隈の人たちのなかには、大企業のことをバカにする人もいます。「古い」とか「動きが遅い」とか言いがちです。

でも実は、昔からその業界で第一線にいた大手企業には、お金だけじゃなく信用やブランド、設備やそこで働く人など、あらゆるものがめちゃくちゃ積み上がっているのです。現状たまたま、それをうまく使えてない企業もありますが、実はものすごく資産が積み上がっている。

たとえばトヨタは、香川照之さんを起用した広報戦略で「トヨタイムズ」というサイトを立ち上げ、かつゴールデンタイムにCMをガンガン打ったり、NTTと資本提携もしてスマートシティのまちづくりに乗り出そうとしてる。

大手企業であっても、ひとたびリーダーシップの高い人が本気で動いたら、資金力も人材も乏しいベンチャーなんて一瞬で消し飛ばされちゃいます。ぜんぜんバカになんかできません。

だから、大手がまだ気づいてないうちに、ぼくたちベンチャーは駆け抜けて「第一人者のポジションを確保しなきゃ」という焦りはあります。だからこそ、どんな状況であっても、ひたすら積み上げていかなくては、と思うのです。

自分の中に資産を積み上げる=選択肢をふやすこと

「資産」を積み上げておけば、「選択肢」は多くなります。

結果、どんな状況になっても生き残れる人材になれます。どこでも仕事ができる、稼げる人になれます。

「仕事は楽しければいい。お金じゃない」という人も増えています。稼げなくてもいいから、自由に生きていきたい、という気持ちもわかります。

でもぼくは、まずは「いつでも稼げるような力」を持った上で、お金を大切にするのか、他のことを大切にするか決めればいいんじゃないかな? と思います。

一千万プレーヤーになったとして、その状態でNPOのボランティアを選ぶ。選択できる幅を広げた上で自分の人生を主体的に決められるというのが、すごく幸せなことなんじゃないかなと思うのです。

ぼくはこうした「選択肢がたくさんある状態で動ける人」「好きなことを選べる人」を増やしたいのです。だから会社のメンバーにも「とりあえず稼げるようになろう」というふうに言っています。

3年後、どうなっていたいですか?

じゃあ、資産を積み上げていくにはどうしたらいいのか。

そう思った人は、この質問に答えてみてください。

「あなたは3〜5年後、どういう人になっていたいですか?」

なっていたい像を思い浮かべて、そこから逆算して、必要なものを挙げてみましょう。それが積み上げるべき「資産」です。理想の姿に近づくために必要なものが「資産」です。

たとえば、「花屋をやりたい」っていう場合。

まず街の花屋なのか? たとえば夜のお店専門の花屋なのか? 誰がオーナーなのか? どんな場所でやっているのか? できるだけなりたい像を言語化して膨らませてみてください。

すると、目的のためににやるべきことが明確になっていきます。

いまはなかなか将来のことを考える余裕はないかもしれません。日々、暗いニュースが流れてくるし、不安も増すばかりです。

でも、そういうときだからこそ、3〜5年後の理想を思い浮かべてみて「何を積み上げるべきか」を考えてみましょう。きっと自分が歩みべき道が見つかるはずです!

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