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「なんで俺、評価されないんだろう?」と思っている人に言いたいこと

「他者から見た自分」と「自分から見た自分」

先日、プロのカメラマンにプロフィール写真を撮ってもらいました。

ぼくはぜんぜん撮られ慣れていないので、写真の出来を見て「なんか自分が思ってた感じと違うな〜」って言ったんですね。写真を撮られると「え、わたしこんな感じなの?」「俺はこっちの写りのほうが好きだな」みたいなことは、よくあることだと思います。

撮ってくれたのは、ファッション系のカメラマンでした。彼が言うにはプロのモデルさんほど撮り直しがないといいます。できあがった5パターンを見せて「どれがいい?」とわざわざ聞かなくてもいいらしいのです。

それはなぜか?

プロのモデルは他人から見られたときの「一番いい自分の顔」をちゃんと理解していて、最初から「そういう撮られ方」をしているからです。結局、できあがった写真も「自分が一番いい」と思われるものになるわけです。

それが新人のモデルになればなるほど「こっちの方がいいです」とか「ここ、こういうふうになりませんかね?」みたいなオーダーが多いらしく。

これって、写真に限らず、プロかどうかの試金石だなと思ったんですね。つまり「他人から見た自分」と「自分から見た自分」が一致している人こそがプロなんです。

「見られ方」のズレを直していく

じゃあ、どうすればそういう「プロ」になれるのか?

ぼくらの会社でやっていて「ワークしてるかな」って思うやり方をちょっと紹介します。

まず、自己採点をつけてもらうんですね。自分で「私はこういう評価だと思ってる」って自己申告してもらうんです。それに対して、ぼくが「いや、こういうふうに見えてるよ」と一つひとつ指摘していきます

こうした自己と他者から見たときの「見られ方のズレ」をなくしていく作業がすごく大事なんです。そこでズレがあると「私、頑張ってるのに評価されない」ってなっちゃうと思うんですよね。

さっきの写真撮影でたとえると、

・レベル1が、できた写真に対して「こっちのほうがいいと思います」って言っちゃう人

・レベル2は「私はわからないからカメラマンさんに任せます」っていう人。

・レベル3は他者から見たベストショットと自分のベストショットが合致する人。

さすがにレベル3まではみんな行けないんですが、レベル2まではいけるような気がしてます。「もう自分では評価できないから評価してください」というところまでいければ、まあまあクリアかなという気がします。(まあ僕はレベル1だったわけなんですが笑。)

レベル3までいくのは、すごい大変だし、そこができたらほんとにプロ。営業トークにしろ、プログラミングにしろ何にしろ、自分の振る舞いが相手にとってもベストの振る舞いができたら最強です。

ほとんどの人は「アーティスト」ではない

まずは「評価される人」を覚悟するか「アーティスト」になるかを決めることが大切だと思ってます。

アーティストであれば、自分のことを表現し、発信していってもいいでしょう。相手がどう思おうが「俺は俺だ!」でいいと思うんです。それをやり続け、突き詰めていく道もあるとは思います。でもほとんどの人は、他人の評価を受け入れないことにはご飯を食べられない。

あなたの評価は「他人から見られている自分」で成り立ってるという事実をまず理解すること。ここがすごい足りてない人が多いと思うんです。これ、なかなかしっくりこないと思うんですけど。

ここが理解できないと「私、がんばってるのに評価されない」って、たぶん言ってしまう。いくら「自己評価」だけを上げても仕方ないんですよね。

「君は君のままでいい」と言われ続けた人たち

若い子のなかには「自分は自分でいいんだ」といった世界観で生きてるも多いですよね。「お前はお前の生き方をしろ」というふうに言われて育ってきた子も多い。なんで他人の評価を受け入れなきゃいけないんだ、って。

でも、あれは日本の教育の一番まちがってるとこな気もするんです。

そもそも社会で生きていく、向こう40年くらいの「働くときのルール」を教えないまま「君は君のままでいいんだよ」って……いや、よくないし。

それをみんな就活のときに知って愕然とするわけですよね。「あれ、おかしいぞ。私は私で生きてきたのに、それをなんで他人に評価されなきゃいけないんだ」って。それでたぶん塞ぎ込んじゃう人もいる。

さらにタチが悪くなってるのが、いまは売り手市場、人手不足で昔ほど採用も厳しくない。だからそういう子たちは気づかないまま、通過してきてるんです。

だから不況になったときがヤバくて。その子たちは1回も挫折せずに「やりたいことしかやりたくない」みたいになってるんで、結構これからガチ不況きたら、その子らマジやばいなと思ってて。

うちの会社では、採用の段階でこういう話もするので勘違いして入ってくる子は少ないです。ただ、25、6歳くらいの若い子たちにはチクチク刺したりはします。「前提としてのルールはこうだよ」と。で、「ぼくが評価したいというよりも、世の中って相対的な価値で評価されるよね?」みたいな。

評価の上げ方の「ゲームのルール」をちゃんと理解しておかないとマズイよね? 野球のルールを知らないのに野球やってたらヤバくない? みたいな話をするんです。

別にこれは感情的に言うわけじゃなくて、淡々と世の中の仕組みはこうだよっていう感じ。ぼくがやりたいわけじゃなくて、何ならみんなの気持ちもすごくわかると(笑)。

まずは「評価は他人がするんだ」ということを理解すること。成長はそこからしか始まらない気がするんです。

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