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参加しよう!土間クッキング

秋満ちる土間に春の風が吹いた
ryugonの土間で行われる「土間クッキング」。
南魚沼に伝わる料理を、地元のお母さんと一緒に作って、いただく。
具材いっぱいのけんちん汁、雪国の知恵が生きた山菜料理。
頬張ると、春が匂い立った。

 今日のメニューはね、山菜ごっつぉ(ごちそう)とけんちん汁。山菜は、春に採って保存したのをささっと調理してありますので、汁を一緒に作っていきましょう」。割烹着姿の関アツ子さんが、にこやかに始まりを告げる。「まずは火の通りにくいものからね」。大根、ニンジンを薄めに切って鍋に投入。新潟ではポピュラーな打豆(蒸した大豆をつぶし、乾燥させたもの)も「ダシが出るから」とサラサラ。具材が飛び出すほどの鍋を、ryugonが昔から厨房で使っていたかまどにかける。ふつふつしてきたら、ナスや舞茸、シメジなどのキノコをどっさり入れて。「具材の大きさも入れるタイミングも、自分のやり方と違っていて、なるほどと思いました」。参加者の感想だ。


里の幸たっぷりのけんちん汁
お料理中はいつも楽しく。女子トークも弾みます。

 けんちん汁ができあがるまでの間に、山菜ごっつぉを盛り付け。アブラコゴミのごま和え、ウドのきんぴら、コシアブラの和えもの、ズイキとワラビの酢の物、ミズの塩昆布和え。「どうしてこんなに鮮やかなんですか?」。質問に「昔からのやり方で保存してるだけよ」と関さん。「ほら、鍋がぐっつんぐっつんしてきた。いっぱい食べてね」。
 保存した山菜への驚きは、実際に食べた時、さらに大きくなった。「すごくみずみずしくて、採りたてみたい」。実は山菜が苦手だったという一人は「苦味やえぐみがなくて、でも旨味はちゃんとあって。これなら「好き」って言える」と嗜好を塗り替えていた。

1年中色鮮やかな山菜料理
こちらも主役。かまど炊きの魚沼産コシヒカリ


 炊きたてのかまどご飯を何杯もお代わりして、「しあわせ」「おいしい」「最高のランチ」と繰り返す参加者たち。「山菜のシンプルな味付けがとってもいい塩梅。お酒にも合いそうですね」。一人が言うと、お酒好きの関さん、深くうなづいて「今度はお酒と合わせてみてね」と笑った。


関さんはお料理だけでなく山菜保存も達人。時にryugonで三味線も披露します。

関さんに聞いた「山菜保存のコツ」
「春を閉じ込める」方法とは?

「塩蔵か冷凍。保存方法は大きく分けて二つです」と関さん。山菜の種類によって使い分けているが「ウドは塩蔵。それ以外は、冷凍と思っていいですよ」。冷凍の場合は、茹でた後、「水にさらさない」のがポイント。「茹で上がったらさっと水分を拭いて、チャック付きの保存袋に入れる。空気もしっかり抜いてね」。「それだけ?」と思うかもしれないが、関さんの「春を閉じ込める技」は食べるとスゴさが分かる。


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