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【140文字小説】愛してるの書き損じ

「貴方が好き」

言えなかった五文字の想いを何度も書きつぶし、
沢山の言葉で着飾って手紙に変えた。

誰もいないはずの教室から、
手をつなぎ寄り添い合う恋人たちを見つけたとき、

五文字の書き損じは必然であったと知った。

「貴方が好き」
「さようなら」

放課後の教室で 空を見上げながら
手紙を破り捨てた

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