【MCU “4-4”】"スパイ映画"と言う名の"家族愛"物語『ブラック・ウィドウ』
全世界が待ち望んでいたであろうMCU最新作『ブラックウィドウ』。2021年公開の新作映画では、個人的に一番楽しみにしていた。何を隠そう、アベンジャーズの推しはナターシャとクリントの2人。謎に包まれたナターシャの過去が明かされる。予告すら見ずに、この時を待っていた。今作は公開初日の夜に劇場鑑賞。
2年ぶり劇場のMCU。オープニングのマーベルスタジオのロゴが出てきた瞬間、ウルっときた。
朝イチにパンフレットのみ購入。『エンドゲーム』みたいに売り切れるかと思ったら、意外とそうでもなかった。980円の分厚いパンフレットはかなりオススメ!シンプルなデザインもカッコいい!
■公開されたタイミング
従来の予定では、MCUフェーズ4の第1作目のはずだった『ブラックウィドウ』。しかし『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンターソルジャー』の配信が終了し、『ロキ』の最終回直前というタイミングで公開された。『ブラックウィドウ』はナターシャ推しからしたら、「やっっとナターシャにスポットライトが当てられた」と嬉しい思いでいっぱいだった。しかしドラマが良すぎて、期待値が高すぎてなどで、そこまでノレなかったという声も一定数あった。どちらかというと、個人的には『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンターソルジャー』が良すぎてノレなかったのは『ロキ』だった。今作は個人的にはMCUでもベスト級に好きな作品。
■スパイ映画のオマージュ
▷『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネーション』
画像引用元:『M:I/ローグ・ネーション』予告編
(https://youtu.be/R5L-oqSPza8)
序盤の飛行機で逃亡する時に、アレクセイが飛行機にしがみつくのは『ミッション・インポッシブル/ローグネーション』の冒頭のイーサンを彷彿とさせる。
画像引用元: YouTube Movieclips
『Mission: Impossible- Rouge Nation』
(https://youtu.be/GSrtUVzdt6M)
タスクマスターらの襲撃から逃れるために車で逃走するナターシャとエレーナ。彼女たちの乗る車がひっくり返るのはイーサンとベンジーの2人のようだ。
▷『ミッション・インポッシブル/フォール・アウト』
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/cyT2DCktud8)
アレクセイを脱獄させる時のヘリコプターアクションは『ミッション・インポッシブル/フォール・アウト』が頭をよぎった。雪山をバックに、ヘリから降ろされたロープにしがみ付くナターシャはイーサンそのもの。
▷『ナイト&デイ』
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/2WYVPrpBeHs)
エレーナとオートバイに乗って、レッドルームの追跡から逃げるシーンは『ナイト&デイ』のトム・クルーズとキャメロン・ディアスを思い出した。『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』でもオートバイチェイスのシーンはあるが、2人乗りしていたことで『ナイト&デイ』かなと思った。
▷『007/ムーンレイカー』
画像引用元:007 Official You Tube
(https://youtu.be/asgLef3oVAw)
ナターシャが逃亡中に『007/ムーンレイカー』を観ながら、食事をしているシーンがある。敵との戦いの舞台が空中であること、ボスの側近が最後に改心することなど、後半の展開の伏線にもなっている。
▷『007/慰めの報酬』
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/2WYVPrpBeHs)
ナターシャがエレーナに会いに行く時に、家に侵入するシーンは『慰めの報酬』のボンドを思い出した。そしてタスクマスターは『慰めの報酬』のボンドガール、オルガ・キュリレンコ。
▷『007/スカイフォール 』
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/-9eu6kPR5yw)
またアレクセイに導かれナターシャたちが行ったメリーナの家で襲撃を食らうところの演出は『007/スカイフォール 』のようだった。
画像引用元: 『007/スカイフォール 』予告編
(https://youtu.be/IIKpljEpPSA)
ナターシャとエレーナがタスクマスターから逃げる時、地下鉄のエスカレーターの手すりの横の隙間を滑り降りたのは、『スカイフォール 』のボンドのオマージュ。
▷キャスト
メリーナ役のレイチェル・ワイズは6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグの奥様。タスクマスターの正体は『007/慰めの報酬』のボンドガールを務めたオルガ・キュリレンコ。この熱のまま、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観に行きたい。
■レベルアップしたアクションシーン
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/cyT2DCktud8)
ブラックウィドウは特殊能力を持っていない。だから今作は生身アクションが多かった。しかもレッドルームで鍛えられたであろう技がキレキレ!今作は肉弾戦多めで、アクションシーンは大満足!
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でアクションのレベルが上がった。9月に公開を控えた『シャン・チー』でもさらに上がると予想していた。まさか今作でここまでのハイレベルアクションが観れるとは…。
■ナターシャの過去
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/_QjgEoDaCrQ)
ナターシャが家族とS.H.I.E.L.Dを振り切って飛行機でオハイオからキューバへ逃げる。その後、ナターシャとメリーナはレッドルームで女スパイとして育てられる。ちなみに幼少期のナターシャを演じたのがミラジョボビッチの娘。ミラにもスカヨハにもそっくり。しかしレッドルーム時代のナターシャ、ブラックウィドウになった過程に関しては全く描かれなかった。ブタペストでのクリントとの出会いもなく、要所のみの回想だった。そのためナターシャが超人血清を打っているのかどうかがいまだに不明。もっと彼女の過去が観たかった。壮絶な過去を持った彼女の過去を持ったナターシャを1本の映画でまとめることは不可能。レッドルームで育ち、ブラックウィドウとして暗躍し、クリントに出合い、S.H.I.E.L.Dに入るまでの過程も映画にして欲しい。
■スパイ一家の"絆"
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/cyT2DCktud8)
アレクセイ、メリーナ、ナターシャ、エレーナは擬似家族。でも血の繋がりがなくても、過ごした時間が家族にしてくれる。そんな深いメッセージが籠っている気がした。勿論スパイアクション映画なのだが、深い家族愛の物語でもあった。
▷メリーナ
まず、演じているのはレイチェル・ワイズは6代目ジェームズ・ボンド、ダニエル・クレイグの奥様。『ハムナプトラ』のヒロイン、イヴリン役などが印象深いが、美貌は健在。敵か味方かよくわからない女スパイがハマっていた。
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/cyT2DCktud8)
今作の中盤、アレクセイの提案でナターシャたちはメリーナに会いに行く。食事をしたり、話をしたりしながらしばらくすると、メリーナは「ごめんなさい。レッドルームに通報した」と言う。しかし正直裏切ると思っていたので、驚きはしなかった。しかし全てはレッドルームに侵入するための計画。完全にナターシャサイドの人間だった。課された任務より、過ごした時間が勝るんだと、目頭が熱くなった。
▷エレーナ
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/-9eu6kPR5yw)
今作が初登場のエレーナを演じたフローレンス・ピュー最高!もうこの一言に尽きる。
▷アレクセイ
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/2WYVPrpBeHs)
キャプテン・アメリカに追いつくため開発されたソ連初の超人兵士。しかし3年間の潜入捜査ののち、刑務所に幽閉されていた。原作でアレクセイはナターシャの旦那様。そしてただ強いだけの人間。しかし今作ではナターシャの父親で、超人血清を打っている超人兵士。設定を大きく変えていたが、ダメ親父な感じが最高だった。
▷圧巻の脱獄シーン
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/cyT2DCktud8)
アレクセイはレッドルームの在処を知っているかもしれないと、ナターシャとエレーナは父親でもある彼を脱獄を試みる。その時アレクセイにはレッドガーディアンのおもちゃが届けられる。頭が飛び出すと、イヤフォンが入っており、彼女らの指示を聞いて脱獄。その後の飛行機では、幼少期しか知らないはずなのに、ナターシャとエレーナだと察していた。レッドガーディアンのおもちゃに関するエピソードが、オハイオ時代にあったのかもしれない。
▷VSタスクマスター
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/9zIEqQqzibU)
長年刑務所に幽閉されていたせいで、体系も変わり、力も衰えていたアレクセイ。しかし彼は覚悟を決めて、たった一人でタスクマスターと戦う。タスクマスターを通したら、レッドルーム崩壊の計画が水の泡になる。アレクセイが立ち向かっていく勇姿は誰も見ていなかったし、覚悟を決めてメリーナに行った最後の言葉も誰観聴いていなかった。でもこの瞬間、彼は本物のレッドガーディアンに慣れた瞬間だったと感じた。力では圧倒されても戦い続け素彼は本当にカッコよかった。
▷VSキャプテンアメリカ?
キャプテンアメリカとも戦ったと豪語していたが、スティーブロジャース、ブラックキャプテンアメリカどちらにせよ、時系列が合わない。スティーブが眠っていた時期に別のキャップがいたのか。
謎すぎるレッドガーディアンを、オリジンから描くドラマを作ってしてほしい。
■ただのクズラスボス以外は殺さない
▷タスクマスター
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/-9eu6kPR5yw)
予告編では今作のヴィランとされていたタスクマスター。ブラックウィドウの身のこなし、キャップの盾の投げ方、ホークアイの弓矢、ウィンターソルジャーのナイフテクニック、ブラックパンサーのワカンダ・フォーエバー…など見た動きをコピーできる能力を持った強者。もう観れない懐かしい技もあったのは熱かった!
タスクマスターの正体はドレイコフの娘。彼女はナターシャがSHIELDに入るための最終試験、ドレイコフ暗殺に巻き込まれた被害者。命を助けるために、ドレイコフによりタスクマスターにされた。そんな彼女もナターシャは見捨てることなく、洗脳を解いた。
▷ウィドウたち
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/-9eu6kPR5yw)
親のいない少女たちは誘拐され、女スパイとして育て上げられる。生殖機能は奪われる。しかしウィドウになれるのはごく一部。残りは殺される。そんな悲しい運命を背負ったウィドウたちを解放するのが、今作のナターシャ、エレーナの目標。かつてのウィドウたちが秘密裏に開発したガスで、洗脳を解く。「これからは自由よ。自分で決めるの」そうウィドウたちに言うナターシャの眼が忘れられない。
▷ドレイコフ
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/-9eu6kPR5yw)
今作の敵はレッドルームのドレイコフただ一人。彼は久々登場の根っからの悪党。フェロモンガードの展開はすごく好きだった。ナターシャがレッドルームを抜ける際に爆殺したはずが、生きていた。今作終盤、飛行機で逃亡を図るが、エレーナによって爆破。これもまた生きているような予感が個人的にはする。ナターシャを殴った分だけ、レッドガーディアンに殴られろ!
■ヒーロー着地
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/-9eu6kPR5yw)
初登場『アイアンマン2』からナターシャはヒーロー着地をしていた。これを妹エレーナにめちゃくちゃイジられる。エレーナにイジられても、ヒーロー着地をするナターシャ。イジっていながら自分もヒーロー着地をするエレーナ。この二人の掛け合いは最ッッッ高ォォォォ!!だった。
■ナターシャの決断
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/EkQukSpdM_w)
▷≪家族≫とは?
『アベンジャーズ/エンドゲーム』では命に代えて、ソウルストーンを手に入れたナターシャ。『インフィニティ・ウォー』では危険を顧みず、戦いに参戦した。敗北後も、たった一人でアベンジャーズを続けていたナターシャ。それも今作を観れば見方が変わる。幼少期の時間を共に過ごした「家族」との戦いを通して、強くなったナターシャ。彼女が守りたかったのは自分で手に入れた「家族 ≪アベンジャーズ≫」。血のつながりは無くても、家族にはなれる。素敵な家族愛を描いた映画。そんなことを考えていると、エンドロールで号泣してしまった。
▷ラストシーンはズルいって!!
今作の最後、ブロンドヘアに身を包んだナターシャがインフィニティ・ウォーへと向かう。アベンジャーズのテーマを流すのはズルい!泣かざるを得ない。今後は『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』で流す涙が確実に増える。
▷with クリント
クリントのことをエレーナに漏らすことが度々あったナターシャ。それらのシーンから、クリント・バートンが彼女にとってどんな存在なのかが伝わってくる。アベンジャーズメンバーの中で、一番付き合いの長い二人。クリントのおかげでレッドルームを抜け出せ、S.H.I.E.L.Dという新たな居場所と、アベンジャーズという≪家族≫もできた。『エンドゲーム』で家族を失った黒んとがローニンとなり、悪人を殺していたところに、アベンジャーズに戻そうと迎えに来た意味も良くわかる。
■今後の布石
▷ウィンターガード
エレーナがレッドガーディアンを見て「クリムゾンダイナモ?」と名前を間違えるシーンがあった。クリムゾンダイナモとは、いわばロシア版アイアンマン。MCUの世界に存在していることが確定したが、今後の登場はあるのか?!またエンドロールには、アーサ・メジャーの名前も確認できた。いったい誰がアーサだったのか。ロシア版アベンジャーズのウィンターガードの登場を示唆しているのか。今後の展開が楽しみ。
▷クリント・バートン
画像引用元:『ブラック・ウィドウ』予告編
(https://youtu.be/EkQukSpdM_w)
いつも次回作の伏線を残して終わるのがMCUのエンドクレジット。今回はエレーナがクリントの暗殺を命じられる。「ナターシャは彼のせいで死んだ」と言われていたため、かなりの殺意が彼女にあると考えられる。2代目ブラック・ウィドウをエレーナが務めることはほぼ確実。そしてドラマ『ホークアイ』にも十中八九出演するだろう。フローレンス・ピューとヘイリー・スタインフィールドが戦うところが観れるのか。しかもクリントの側で。ドラマではなく、映画であって欲しかった。
■最後に
何度もナターシャの最後の活躍を観に、劇場へ足を運びたいと思う。あとどのくらいの涙を流せば良いんだろう。
そして次回作は、
9月公開予定の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
特殊能力を持たないカンフーの使い手。アクションのレベルがまた上がることが予想されて、心が躍る。今作のスパイ映画オマージュのように、ブルース・リーやジャッキー・チェンなどの香港アクション映画のオマージュをたくさん入れてほしい。もう公開まで2か月という事実にびっくり。
MCU Is Back to the Cinema!
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