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【名作】高校生全員に観て欲しい『ハイスクール・ミュージカル』

 本日、2021年3月1日に卒業式があった。私の高校生活はある意味『ハイスクール・ミュージカル』のようだった。もちろん通っていた高校にはミュージカルもプロムもない。ではなぜそう言えるのか、順を追って綴っていく。

■『ハイスクール・ミュージカル』と私

新型コロナウイルスによる休校期間中にALTの紹介でHSMに出会った。イギリスで育ったその先生は、高校生の時に"We’re All in This Together"を卒業式に歌ったから青春の思い出の映画だと話してくれた。日本ではそんなことをする高校は無いに等しいので羨ましかった。観るまでは今作が青春の思い出どころか、オールタイムベストに入るくらいの衝撃作になるなんて思ってもなかった。

■トロイ&ガブに自分を重ねて嗚咽…

今まで観た青春映画史上最高!
そう感じることができた理由は、トロイとガブリエラにめちゃめちゃ感情移入できたからだと思う。

1作目では、2人は自分の本当にしたいことと、今自分のしていることにギャップを感じる。トロイはバスケットボール部の試合に向けての練習がある。ガブリエラはクイズ大会へ向けての勉強がある。でも2人ともミュージカルに出たい!と思っている。それは歌うことが素の自分を出せるほど好きだから。熱中できるほど好きなことを心置きなくできる場所があるのに、できない。好きなことを優先したら周りの人はどう思うのか?親は?先生は?

彼らと同じくらいの歳の私は、2つの部活動に入っていた。メインの部は活動数や部員数は少ないが、楽しくて値打ちのある時間を過ごせていると思う。一方、メインではない部の活動は活発でレベルも高い。忙しさ故に楽しみにしていたメインの部活を休まざるを得ないことも少なくなかった。人間関係で悩まされたこともあり、心は常にモヤモヤしていた。自分って何やってんだろ…って。でも2人を見て、他のことを頑張れないと、本当に大切なことも頑張れない。頑張れなければ結果もついてこない。いろんな大切なことを考えさせてくれた。


3作目では、卒業後にどうするべきなのか、悩みまくる。選択肢は無数にあり、いったいどこに行くのが正解なのか…? これは進路に悩んでいた頃に鑑賞したのでとても刺さった。卒業式を終え帰宅した後、再鑑賞して号泣した。

高校生活で全く同じことで悩んだ経験があったため、観ている時に彼らの気持ちが痛いほど分かり、嗚咽して泣いていた。エンドロールが終わってからしばらく泣き続けた。涙が枯れるまで。

彼らのことを入学から卒業までずっと観てきてどんな壁にぶつかり、もがき苦しんで、成長したのか知っている。しかも共感しかなかった。そんなトロイとガブリエラは映画のキャラクターという枠組みを超えて、もはや自分の同級生だと思っている。それくらい好きな映画。

■ティーンのリアルな壁を生々しく描く

よくある青春映画はスクールカースト(という言葉は大嫌いだしなくなればいいと思うけど、分かりやすいと思うので使います)上位の人たちに焦点を当てた物語にしがちだった。青春謳歌してる勝ち組が楽しんでるところを見せられて、「こんな高校生活を送りたかった」と羨むしかなかった。今作もバスケ部キャプテン・歌とダンスが上手い・彼女がいる… トロイと、勉強が出来る・歌とダンスが上手い・彼氏がいる… ガブリエラが主人公。え?学生生活エンジョイしてる人たちじゃないか!と思われがちだけど今作は一味違う。彼らが衝突する高校生ならではの壁がリアルすぎる。高校時代に誰もが一度は経験したことがあるようなこと。私たちにとってアメリカの高校生活って"夢"みたいって思いがちだし、ある種の憧れみたいなところもある。でも高校生の悩みって万国共通なんだ!このことで悩んでるのは自分だけじゃないんだ!って思える。そしてなにより頑張る彼らの姿をみていると元気が貰える。青春の楽しいところばかりではなく、残酷なところまでらしっかり描いてるのが良い。現実的である意味残酷なんだけど、めちゃくちゃ良い曲に乗せてストーリー展開されるから一切重たくならない。これはHSMシリーズの発明!

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