#31  宿のオーナー・陽子さんと初地下鉄・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月2日(金)2日目・・・2

New Yorkでの初めての朝食を終え、リビングで宿のオーナー・陽子さん、先客女性と3人でおしゃべりをしているうちに、あっという間に11:30。

実は、New York第1日目の初予定は、Chelsea Market(チェルシーマーケット)で人と会う約束をしていた。
日本でNew Yorkの情報収集をしていたときに、あるコミュニティの参加希望を申し込んだのだが、どうやらNew York在住者の集まりだったらしく、私が早とちりをしてしまったのだ。
けれど、代表者は〝New Yorkに来たらお茶でも〟と誘ってくれたのだ。
New Yorkで人と待ち合わせて会う約束をするなんて、〝きゃぁ~New Yorkerみたい〟と舞い上がった。
もしかしたら、代表者の社交辞令を私が真に受けてしまっただけなのかもしれなかったが、いいのだ。New Yorkで約束して会う。それができれば、本気も社交辞令もどっちでもいい。

舞い上がっている私に、オーナーの陽子さんが心配してくれた。
初めてのNew York、しかも1人、そして相手が女性であっても見ず知らずの人である。
でも、怪しいと思ったら深入りしなければいい。どんくさい私でも、その判断ができる自信はあった。
 ちょうど陽子さんもChelsea Market の近くに行く用があるとのことで、一緒に行ってくれることになった。

New Yorkで初めて乗る地下鉄。
路線の乗り入れが多いのは、Atlantics Avenue - Barclays Center(アトランティック・アベニュー-バークレイズ・センター)stationなのだが、宿の周りはもっと便利で、他にも2つの地下鉄の駅があり、Chelsea Marketまでは、Cライン(Aライン)が走る、Lafayette Avenue(ラファイエット・アベニュー) Stationから行くことになった。
 
本来なら、1人で四苦八苦しながら乗る予定の地下鉄だったのだが、思わぬ助っ人登場で、心強かった。しかも陽子さんなら鬼に金棒だ。
駅で、喉から手が出るほど欲しかった、憧れのメトロカードを購入した。
陽子さんの説明のおかげですんなり買うことができた。このカードでバスも地下鉄も7日間乗り放題。
そして日本で何度も何度も見た、地下鉄の改札。メトロカードをサッとスライドさせ、回転棒を押し回して通り抜ける。
そうそう、これこれこれ。ここを通って地下鉄に乗りたかったのだ。
慣れてしまっている人には何でもないだろうが、35年以上憧れていた私には、希求行動なのだ。回転棒は伝え聞いていた通り、本当にギリギリと音を立てて回った。
 
ホームで初めて聞いた案内放送。
コンコースやホームに響き渡る、男性の太くて安定感のある声がかっこよくて、テンションが上がる。駅構内は日本のように明るくはなく、ホームも電車内も私には薄暗く感じた。

昔から知っていた落書きだらけの地下鉄は、もうずいぶん前にとっくに塗り替えられ、銀色の車体が無機質に感じられた。けれどやっぱりNew York。
ドキドキしながら初めて乗るNew Yorkの地下鉄。
車内に立っているポール、オレンジと山吹色の固い座席、日本人ではない乗客。〝乗ってるよ乗ってるよ私、New Yorkの地下鉄に乗ってるよーっ!〟
陽子さんと雑談しつつ、叶った夢の1つを実感しながら、車内で嬉しさに浸っていた。

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