#165 あった! ベティのお家・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月16日(金)16日目・・・4

Jackson Heights(ジャクソンハイツ)駅から、小さな商店がズラリと並んだ目抜き通りを歩いていると、ここはインド? はたまたスペイン? というより、もしかしてパキスタン?と、行ったこともないのに思ってしまうほど、あちこち混乱するような洋服屋が多く、看板の文字も英語とアラビア語のような、何か暗号にも思えるような文字が並んでいる。

インドっぽい民族衣装を着た女性や、頭にターバンを巻いたおじいさんが闊歩しており、ぐちゃぐちゃに混ざって混乱したが、このぐちゃぐちゃ具合が楽しかった。
ここは本当にNew Yorkか?と思うほど、ラテンの匂いがする中南米の雰囲気だった(もちろん中南米にもいったことはない)。

駅から離れてどんどんどんどん歩いて行くと、ひたすらまっすぐに伸びた、大きな道路に出た。両側の建物が2~3階建てなので、Manhattanのような圧迫感がなく、でっかく広がった空が気持ちいい。

とりあえず当てもなく歩く。
Manhattanとは別世界の住宅街を、ひたすら歩き街並みを楽しんだ。

大好きなアメリカのテレビドラマ『アグリーベティ』の家が、きっとこのご近所にあるはず。

散々歩きまわったところで、自分の現在地が知りたかったので、嘘つきナビで検索してみる。ありゃまぁ~、全然違うところを歩いている。

ベティの家の住所はわかっているので、番地を頼りに方向転換だ。
さっきの大きな通りを反対側に渡り、ひたすら住宅街を進んでいく。

あっ!37Avの看板だ! 目指すは37-27。きっとこの近くだ。

さっきまでは茶色い煉瓦の家ばかりだったのに、37Avに入ったとたん、
横に長い木の壁の家が並びだした。しかも家の形がベティの家にそっくり。
わぁ、もうすぐ近くまで来ているんだなぁ。
番地の表示を頼りに進んでいく。25、26、心臓がどきどきして、気持ちがはやる。27。あ、あっ!あった!! うすいエメラルドグリーンの家。

とうとう辿り着いた。ベティの家。とうとう来たよ。日本からはるばる。
いやぁ~感慨深い。

放送終了から10年近く経っても、時々DVDを観ているほど、お気に入りのドラマ。そのベティの家を、今、目の前に見ているのだ。

そうそう、あの階段の下でベティ(主人公)とウォルター(ベティの恋人)が話してたな、とか、あの階段の上でベティとジャスティン(ベティの甥)が座ってお茶してたな、とか、頭の中を映像が駆け巡り、じーっと見つめる。

ふと、ホントかな? 本当にここがベティの家かな? と半信半疑になる。でも間違いない。調べた住所も合っている、クイーンズだし、Jackson Heightsだし、何より映像として脳裏に残っている家そのものだもん。
いやぁ嬉しいなぁ。ベティの家に来られたんだ。
小さな門扉の前で感動していた。
中に入ってみたいし、もっともっとよく見てみたい。

しばらく佇んでいると、お隣の家の住人が中から出てきて、何やらごそごそと片付けを始めた。
ここは不審者になってはいけないと思い、何気なく離れた。
けれど、もっともっと実感したくて、道路を渡った反対側からも、じっくり眺めた。

この、ベティの家だった所には、今、住人がいるのか空き家なのか、外からではわからなかった。片付け中のお隣の人に聞きたかったが、英語は話せない。不審者と思われるのは嫌だと思いつつ、あきらかに撮り過ぎなほど写真を撮りまくり、未練を残したまま、ベティのお家とさよならした。

次に来るときには旅行者ではなく、New Yorkerとして来たいと思いながら。

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