#76 またまた地下鉄に振り回される・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月5日(月)5日目・・・7

宿から、最寄りのAtlantics Avenue - Barclays Center(アトランティック・アベニュー-バークレイズ・センター)駅に着き、絶対に遅刻したくない、乗り間違えたくないという思いから、不安になってホームで電車を待っている間に、あんなに当てにならないとボヤいていたマップアプリを、ついつい開いてしまった。そして案の定、振り回されるハメになる。

宿の部屋を出てからGrand Central Terminalまでは、通常④の電車で、4、50分程で行ける。20分以上余裕がある状態で宿を出たので、楽々行けるはずだ。
ところが、開いたマップアプリには<④! ⑤>と表示されている。
不安になり近くの女子高生らしき女の子に聞いてみた。
「This、 train、 Grand Central Terminal、 OK?」
文法が合っていようが間違っていようがもうどうでもいい。
ちゃんとGrand Central Terminalに行ければいいのだ。
女の子は、首を何度も縦に振りながら、
「OK」
と言ってくれた。次のOL風女性も大丈夫的な返事を返してくれた。
ホームの電光掲示板にも④と出ている。
ところが、ホームに入ってきた電車は⑤だった。
ええ~? どうして? 訳が分からない。
ここは④を信じて⑤を見送ることにした。1本見送ってもまだ時間はある。

ほどなくしてホームに入ってきた④に乗った。あいにく、乗った④は旧車両で、行き先の電光掲示板がなかった。急に先ほど見たマップアプリの④の横に付いていた<!>が気になり、不安になって1駅で降りてしまった。
このまま④に乗り続け、とんでもない所に行ってしまったら、それこそ遅刻になってしまう。ただ、ここはまだBrooklyn。早く橋を渡り川を越えてManhattanに入らなければ。

そんなこんなで、聞いたり迷ったり乗ったり降りたりしているうちに、
どんどん時間は過ぎていく。
午前中のそぞろ歩き散歩で時間を使い過ぎたようだ。
まあ、あれはあれで楽しかったから、よしとする。

結果的には④でも⑤でもよかったようだが、こんなときは、ないよりマシなマップアプリで現在地を見てみる。
電車の動きに合わせて現在地の丸が少しずつ動いていた。
どうやら、ちゃんとGrand Central Terminalに向かっているようだ。
けれど遅刻ギリギリになってしまいそうだ。遅刻は1番やりたくないことだ。仕事ではないのだが、それでも、慣れないから、旅行者だからといって、約束の時間に遅れることは、死ぬほど嫌だ。

焦っても仕方がないと思いながら、やっとGrand Central Terminalに着いた時には、約束時間の5分前、16:55。出口や道を間違えずにダッシュで行けば、ギリギリ間に合いそうだ。
ここで出口を間違えたら大変なことになる。電車を降りて、とりあえず見える出口から外に出た。駅構内では外の風景がわからないからだ。
走って外にでると、幸い道路標識が見えた。よし、目的地は近い。
一昨日下見をしておいて本当に良かった。

さらに間違えないように、近くにいた紳士に道を聞いた。
ただし、英語では聞けないので、一昨日下見に来たときにビルの近くで写した標識の写真を見せた。

Manhattanの道路は、日本の京都のように碁盤の目になっているので、
アベニューとストリートの数字さえわかれば、比較的簡単に目的地に辿り着ける。ただし、それは慣れている人だ。
ラッキーなことに紳士は、Manhattanの地理が分っているようだった。
身体をあっちに向けたりこっちに向けたりしながら、方向を確かめてくれた。多分、
「あっちだよ」
と言いながら指差してくれた。
「Thank you」
とお礼を言いながら時計を見ると、16:57。ああ、もう無理だ。
慌てて社長にメールを入れた。
〝今、グラセン出ました。 ダッシュでいきます。 すみません〟
〝全然、ごゆっくり〟

即効で返信が届いた。ああ……完全に遅刻だ。
ごめんなさい申し訳ないすみませんめんぼくない。
けれど運良くすぐに、一昨日散々迷った123のビルが建っている交差点に辿り着いた。よかった、ここまで来ればもう大丈夫。目的の124ビルは斜向かいだ。
下見をしておいて本当に良かった。これで初めてなら大遅刻だっただろう。

124ビル。平日だがドアマンはいなかった。聞いていた話では、ギターを持って歌いながら業務をする、陽気なドアマンがいるとのことだったので、
会えるのを楽しみにしていたのだが、17:00すぎだったからか、姿はなかった。

建物の中に入ると、先日とは違うセキュリティのおじさんがいた。
名刺を見せ<15F>を指差した。
Japaneseがどうのこうのと言ったような気がしたが、聞き取れないし、
一刻も早くエレベーターに乗りたかった。とりあえず、
「Thank you」
とだけお礼を言い、15Fへ急いだ。
私が勝手に聖地・約束の地だと思い込んでいる場所。
エレベーターが開くと、心臓が飛び出してくるのではないかと思うほど、大きくドキドキしていた。

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