#34 通りすがりでお買い物・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月2日(金)2日目・・・5

High Line(ハイライン)の散歩を楽しんで地上に降り、次にChelsea Market周辺を歩いた。
建物1つ1つの造りが、彫刻作品のようで、見ているだけで楽しかった。
進んでも進んでも飽きることなくドンドン歩けてしまう。
あまり遠くに行って迷子になり、戻ってこられなくならないように気を付けながら、建物の入り口や窓枠の造りを眺めながら歩いた。

コンクリートを踏む1歩1歩が嬉しくて愛おしくて、足の裏の感触を確かめながら楽しく歩いた。〝ああ、私、New York・Manhattanを歩いてるんだ。
夢じゃないんだ。現実なんだ〟嬉しくて嬉しくて1歩1歩丁寧に歩いた。

途中で、メッセージカードのお店を見つけて入店すると、店員さんに、
「Hi!」
と声をかけられビビった。Hiはもっと親しい間柄の人に言うものだと思っていたからだ。店員がお客に対しても言うことを知らなかった。まさか若くて可愛いショップ店員が、異国の50すぎのおばちゃんの私に、こんなに気軽に笑顔で声をかけるとは思っておらず、びっくりして緊張した。
〝へぇ~。いらっしゃいませはHiなのか〟
なるほどと思いながら、日本にいる傾聴カウンセリングの師匠に、メッセージをしたくて、カードを探した。

師匠は私がNew Yorkに行くこと、New Yorkで書く人になる夢を、自分の事のように応援してくれている。そのお礼のメッセージを、New Yorkで買ったカードで、New Yorkから、手書きで送りたかったのだ。

一通り店内を見て回り、New Yorkの象徴である、リンゴのイラストが描かれた$6のカードに決めた。日本とあまり変わらない値段設定に安心した。
レジに持って行き、10ドル札を出す。アメリカはカード社会だと聞いていたが、宿のオーナー・陽子さん情報によると、現金でも全く問題ないとのことで、カードを使い慣れていない私には、現金支払いはありがたかった。

若くて可愛い、にこやかな店員さんが何か話しかけてくれたが、まったく理解できない。とりあえずニッコリ笑い返して、〝何を言っているかわからないけど、声は聞いてますよ〟アピールをする。
やがてお釣りと袋に入った商品を渡され、
「Have a nice day」
と言われたので、
「Thank you」
と返すと、店員さんはにっこりしてくれた。

おお、私のThank youは、ここでもちゃんと通じたではないか。話せず、
聞き取れず、理解できずの3拍子だが、ちゃんとお買い物ができて嬉しかった。少し自信がついて、これからもお買い物は出来そうな気がした。

お店を出て再び歩き出した。行けども行けども次々と現れる異なった風景に魅了されながら、もっと歩きたい衝動を抑え、Chelsea Marketに戻った。

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