#139 デジャブ・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月13日(火)13日目・・・4

IKEAを背中にしてどんどん歩いて行くと、古びた街並みが広がってきた。

建物の壁全面が鉄格子になっていて、枯れ木が絡まっていたり、壁一面にペイントがしてあったり、グルグル巻かれた鉄線があったり、道路は所々舗装が剝げて、その下の石畳らしきものがむき出しになっていたり。

人っ子一人歩いておらず、小さな古い工場がいっぱいあった。

ガタイのよい男たちが力仕事をしている、そんな気がした。
そして、何だろう、何だか懐かしい感じがした。
もちろん初めて訪れた街ではあったのだが、この感覚は何だろう。
これがデジャブ? 不思議な気分でどんどん歩く。

Manhattanから離れ、New York郊外の、いかにも田舎の町工場が並ぶ、庶民の街といった感じだ。
珍しくてキョロキョロしながら歩いていたのだが、歩けど歩けど人に会わないので、段々寂しくなってきた。しかも上がっていた雨が、また今にも降り出しそうな曇り空だ。

しばらく歩くと、バス停があった。
ということは、ここはバス通りなのか。とてもそんな賑やかな通りには見えなかったし、歩きながら1台もバスを見ていない。
何もなかったら、こんなところでバスを降りようとは思わないだろう。

バス停名を見ると『Van Brunt St & Seabring St』と書かれていた。

あら、ここはもしかして、バン・ブラントストリート? 私が降り立ちたかったバス停じゃない? おやまあ、Red Hookを散々見て回った後だけれど、ちょっと遠回りして、辿り着けた。よかったよかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?