＃35　忘れられた約束・・・ニューヨーク1人旅　　2018年11月2日（金）2日目・・・6

New York在住者でコミュニティの代表者とは、15時にChelsea Marketの入り口で待ち合わせをしていた。

ハイラインを含む、周辺のお散歩を終え、再びChelsea Marketに戻ると14：30。
この頃にはそろそろおトイレに行きたくなっていた。
代表者と会う前に済ませておこうと、Chelsea Market内のおトイレを探したが見つからない。しかも人が多く、サッサと歩けない。さらに、英語が読めない、聞くに聞けない、でも早く用を済ませたい。
困りながらウロウロしていると、restroomと書かれたプレートの横に、矢印が付いてるのが見えた。少々急いでいたので、ああ助かった、と思い矢印の方へ進んだのだが、出口に来てしまった。

引き返し、プレートの矢印を確認し、再び矢印の方へ進むがrestroomは見つからなかった。仕方なく入り口まで戻り、セキュリティの男性に一言、〝where restroom〟と言ってみた。すると、
「「！“＃＄％＆‘（）＝｜＆％＄’－＆％「＆％＄＃＃＄“＆‘＊＋‘＆＃＄」
うーん……、教えてくれているようだが、何を言っているのかわからない。Restroomのプレートがある方向を指差してくれているので、方向は間違っていないようだ。
本当は〝矢印がついたrestroomの看板は見つけたんですけど、その近くにrestroomはないんです。どこにあるんですか？〟
と聞きたかったが、聞けない。だいぶ焦りながら、わからなかったけど、
せっかく教えてくれたのだから〝Thank you〟とだけ言い、またもrestroomの看板のところに行く。見当たらない。段々切羽詰まってきて焦る。

ふと時計を見ると14：55。約束の時間まで5分しかない。もう入り口に向かわなければ遅刻してしまう。おトイレに行きたい焦りと、約束の時間が迫っている焦りで慌てて入口へ急いだ。
幸いセーフ。コミュニティの代表者はまだ来ていないようだ。

そしてしばらくの間、代表者を待った。けれど、約束の15：00を過ぎて、5分、10分と時間が経ったが、代表者は現れなかった。

New Yorkお出かけ初日の初めての待ち合わせで、上手く会えないことに不安になった。Face Bookのメッセンジャーを送ったが、既読も返信もない。
もしかして私が日時を間違えたのだろうか？　それとも、からかわれたのだろうか？　騙されたのだろうか？　
けれど、以前のメッセージのやり取りを読み返してみたが、＜11/2　15：00＞となっている。しかも、素敵で面白いところがあると言って、場所も日時も決めてくれたのは代表者の方だ。

ふと、ドタキャンされたのならこのまま逃げてやろうか、とも思ったが、せっかくの機会だ。よし、15分待っても音沙汰がなかったら電話してみようと、もう少しだけ待つことにした。それ以上は生理現象にも限界が来る。

そして待ち合わせの時間から15分後、やはり代表者は現れなかった。
思い切って電話をかけた。
「あの、今日15：00にChelsea Marketの入り口で待ち合わせをしているYUKIEですが……」
代表者は一瞬戸惑った感じで、
「ああ、すぐ行きます。5分くらいで」

話しの様子から、どうやら私との約束を忘れていたようだった。

私は、約束の時間には人一倍うるさい。待ち合わせ場所にはいつも1番に到着しているタイプだ。遅刻は嫌いな行為ベスト3に入る。待たされるのはいいが待たせることが大嫌い。
今回は待たされたあげく、忘れられていたことに悲しくなった。
しかも日本人に。
けれど、電話は繋がったし、おトイレにも行けておらず、連れて行ってほしかった焦りもあり〝5分で行く〟を信じて待つことにした。