#198 惨めと悲しさ・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月19日(月)19日目・・・8
大渋滞に巻き込まれ、やっとのことでバスを降りた目の前の風景は、すべてが夜景で見えにくく、そこがどこなのかよくわからなかった。
New Yorkに来て以来、いつかどこかで見たことがあるような無いような、
でも、まったくとんちんかんな場所ではなく、中心部に近い所にいることは感じ取れた。
とりあえず賑やかそうな方向に歩いてみた。すると、『BRYANT PARK West 42nd St Avenue of the Americas』の標識の四つ角に出た。
え?BRYANT PARK? BRYANT PARK? BRYANT PARKって、あのBRYANT PARK? 嘘つきナビで現在地を検索すると、なんと私は、毎朝通っている、Grand Central Terminalからの、BRYANT PARKのすぐ近くにいた。そして次の目的地まで徒歩圏内の所にいた。
そのまま歩いてTimes Squareに行き、時間があったので久しぶりにStarbucksに入った。やっぱりキャラメルマキアートが美味しい。
ところがここでも英語が通じないことで、店員にバカにされたような感じを受けた。〝やな感じ〟と思ったが、何だか少し慣れたような気がした。
New Yorkに来て、数えきれないほどたくさんの人にいっぱい親切にしてもらい感動したが、そうではない人たちも同じようにいることもわかってきた。
いつだったか、注文してから15分たって違う品を渡されたとか、注文したにもかかわらず店員がおしゃべりして動かず、延々待たされたと聞いたことがあり、そのときは〝そんなはずないでしょう、New Yorkerはいい人が多いはずだもん〟と思っていたが、どうやらそうでもなさそうだ。
もしここに暮らしていたら、ヤな感じに腹がたったのかもしれないが、今の私には、もうすぐそこまで帰国日が迫っていたこともあり、バカにされた惨めさと、帰国しなければならない悲しさが同時に襲ってきて、複雑な心境だった。
さらに、店内のテーブルが満席になり、次のお客さんが座れなくなったのだが、私のテーブルには私1人しかおらず、相席できる状態だったので、相席OKを言いに行こうと席を立った瞬間、袖にキャラメルマキアートのカップが引っ掛かり、床に落としてこぼしてしまった。なんたる不運。
店員にバカにされ、相席の申し入れもできず、ドリンクをテーブルと床にこぼす、トリプルパンチだ。
テーブルの上にあった紙ナプキンで、こぼしたキャラメルマキアートを拭き取りながら、何だか情けなくて悲しく、そして途方もなく淋しかった。