#172 車内の空気を変えたお婆さん・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月17日(土)17日目・・・1

朝食はフレンチトースト。黒いお皿の上に乗ったフレンチトーストには、
たっぷりのシュガーパウダーがかかって、まるで雪景色。
黒いお皿の料理がこんなにおいしそうに見えるのは、もちろん宿のオーナー・陽子さんマジックだ。

今日と明日は、お誕生日ミッション。
最初はお待ちかね、自由の女神に会いに行く。
New York旅を計画した時から、自由の女神とEmpire State Building(エンパイア)は、誕生日に行くと決めていた。

New Yorkに来て突然英会話に通う流れになったことや、お天気が日によって、また1日の中でもコロコロ変わることで、中々予定が立てられなかった。今朝も曇っていたので迷ったが、雨の予報が出ていなかったので、女神とEmpireをはしごすることにした。もし明日Empireに上って土砂降りだったら、相当残念だもの。

宿の最寄りの、Atlantics Avenue - Barclays Center stationに行くと、週末でロープが張られていた。
New Yorkに来て2週間強。週末の路線変更にも慣れた。
しかも途中で乗り間違えていることにも気付けて、Rlineに乗り換えた。
ところが、Rに乗ったつもりがB、Dだった。もしかしたら週末で変更になっており、それに気づかなかったのかもしれない。けれど、そんなイレギュラーにも、すっかり慣れ、慌てることなく、スムーズに乗り換え、DeKalb Avenue駅でRlineに乗り換えた。

隣の車両からお婆さんが移動してきた。その瞬間、サッと車内の空気感が変わり、少しテンションが落ち、静かになった気がした。そう、お婆さんは物乞い。乗客にお金を無心しているようだった。けれど、座っている乗客の真ん前に立ってまで無心することはなかったし、私にはお婆さんが何と言っているか理解できなかった。
お婆さんは、遠慮がちに1$札を差し出した女性の手から、サッと受け取る。その素早さと少しふらつきながら歩く足取りがアンバランスに見えた。
少しずつ歩を進めていくお婆さん。
私はお婆さんと目線が合わないように下を向きながら、上目遣いでチラチラと様子を見た。
一見、このお婆さんが、本当にお金を無心しなければならないほど、日々の暮らしに困っているようには、私には見えなかった。

話には聞いていた物乞いを、物乞いをする人に実際にお金を手渡して、それを受け取っている姿を、この目で見た衝撃は大きかった。日本では見ない光景だ。物乞いをしながら車内を歩く人、お金を渡す人が、本当にいたことに驚いた。

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