#104 地下鉄内でiPhoneを落とす・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月9日(金)9日目・・・1

New York9日目。
今朝も朝食後に、宿のオーナー・陽子さんとNew York移住のお話をした。
陽子さんはとても博識で、わからないことがあると、その場ですぐに調べて情報をくれる。本当に頼もしい。

11月9日の朝食

英会話スクールに行く前に、最寄り駅のAtlantics Avenue - Barclays Center(アトランティック・アベニュー-バークレイズ・センター)で、メトロカードの更新をした。
まだ朝だったので、脳の疲れも駅の混雑もなく、ゆっくりと自分のペースで券売機に向き合えた。それがよかったのか、自分でも驚くほどスムーズにできた。なんと嬉しいことだろう。
すんなりとメトロカードの更新をし、英会話スクールへ向かった。
けれども、やっぱり私のアンポンタン事件は起きた。

滞在中、外でiPhoneを使うのは、ちょっとした検索、マップアプリ、メモ帳、カメラだけ。SNSは、ルーターの関係もあり、宿に着いてからゆっくり落ち着いてと決めていた。
地下鉄の車内では、マップアプリの現在地の丸印とにらめっこをしていることも多かったが、この日はだいぶ乗り慣れてきたので、地下鉄車内でもiPhoneは触らなかった。触っていなかった、と思っていた。

Grand Central Terminalに着いてホームに降りると、後ろからトントンと肩を叩かれた。振り向くとボーイッシュな若い女の子が、私のiPhoneを渡してくれた。驚いて
「Thank you!」
というと、女の子は無表情にコクリと頷いて、人混みに紛れて姿を消してしまった。

鞄から出した覚えのないiPhoneを、落としてしまっていた事実に驚き、手渡してくれた親切に感謝し、落としても戻ってくるNew Yorkに驚き、自分の不注意にがっかりし、少しパニックになりながら、ホームを上り階段に向かって歩いた。

一抹の不安が襲った。
〝iPhoneの中の情報が盗まれているのではないか〟
New Yorkに来る2週間前に機種変更したばかりだったし、普段から使いこなせていないので、たいした情報が入っているわけではないが、私以外の人の個人情報は入っている。漏れてしまったら大変だ。そして最悪の場合、滞在中にiPhoneが使えなくなってしまうことも、考えられないではない。

嘘つきだがマップアプリは無いと困るし、観光のためのシティパスも入っている。シティパスのプリントアウトはしてあるが、それが使えるかどうかはわからない。あれこれあれこれ良からぬ妄想が浮かんできて心配になった。

けれど、階段をコンコースに向かってのぼりながら、その時はその時。トラブルを楽しもうと思った。もちろんトラブルは嫌だけれど、New York・Manhattanでしか体験できないトラブルなら、味わってもいいと思った。

結果、滞在中はもちろん、帰国しても何も起こらなかった。あの少女は純粋に親切だったのだ。疑って申し訳なかった。同時に、New York・Manhattanは、私が思う通り、日本人が忘れて無くしてしまった優しい心を、持っている人が多いことを、改めて確認できたできごとだった。

それにしても、少し大きめのがま口型のポシェットから、iPhoneが勝手に落ちるとは考えられない。私には触った記憶がない。なぜ落ちた? 
(それは、触ったことをすっかり忘れて触っていないと思い込んでいる、アンポンタンのあんただからだよ!と、どこかから聞こえてきそうだ)

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