#116 散歩。そして、真似た動作で気持ちが通じた、ような気がした。・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月10日(土)10日目・・・5

ダコタハウスがあるCentral Park West周辺は、品の良い雰囲気を感じた。
詳細は知らないが、ハイソサエティーで、自分には不相応だなぁと思いながら、ダコタハウス前のW.72ndSt.を進み、Broadwayを下った。

ドンドン進みお散歩を楽しんでいると、17:00もすぎ、気がついたらすっかり夜景に変わり、夜のManhattanを歩いていた。
住所も街の名前もわからず、ただただManhattanの夜散歩を楽しんでいた。

突然、右側が開けた空間になり、コンサート会場のような建物の前に出た。〝ああっ!!!〟
見覚えのある建物。雑誌やネットで散々写真を見た、リンカンセンターだった。思いがけず、いきなり出くわして、ビックリ。そして一面ガラス張りなので、中からの照明が外に映えて、建物全体がくっきり浮かび上がった、きれいな建物だった。

噴水の水が癒し効果をもたらして、ほっこりした。

建物の中がどうなっているのか、興味はあったが、やたらめったら入ってトラブルになるのは避けたかったし、ズケズケ入って場違いに面食らうのも嫌だったので、外からじっと眺めていた。
滞在中に来ようと思っていた場所ではあったので、偶然辿り着けて嬉しかった。噴水の出方が時々変わり、その面白さにしばらく見入っていた。

リンカンセンターを出て、さらにBroadwayを下っていくと、59st.Columbus Circleという駅に辿り着いた。
駅前は大きな円形広場になっており、THE SHOPS AT COLUMBUS CIRCLEというショッピングモールビルに入った。

広いエントランスホールを入ると、吹き抜けの天井から白いトゲトゲした星形の照明が、いくつもぶら下がっていた。

クリスマスの頃になると、多彩な光できれいになる。〝ああー、これだよー、これ、これ〟と思いながら一通り歩いてみた。
まだ11月前半だと言うのに、ショウウインドウにはすでに、クリスマスツリーがあった。

地下にWhole foods marketがあり、ここで軽く食事を摂ることにした。
初日に宿の近くで行ったので、店内の雰囲気はつかめていた。

多種類のお惣菜を、ルンルンしながら選び箱に入れ、レジに行こうとしたら、並んだおかずケースの一角に、スプーンやフォークがたくさん置いてあった。〝なんだぁ、あるんじゃないの……〟
宿の近くのWhole foodsでは見当たらず、仕方なく箱の角を破って即席スプーンを作って、苦労して食べたのに。
でも、これで次に行ったときには探すことができる。1つ覚えた。

お惣菜を箱に詰めレジに番号順に並ぶ。
お行儀よく並んでいると、後ろから初老の女性がサッサと進んできて、あれよあれよと順番抜かしをしてレジに進んで行った。すると、私の前に並んでいた男性が、クルッと後ろを振り返り、私に向かって口をへの字にし、目を見開きながら、掌を上に向け両手を横に出して、肩を上げた。
それまでお行儀のよい、優しく親切なNew Yorkerにしか会ったことがなかったので、順番抜かしをする人を始めて見ることができて、私は新鮮だったのだが、前の男性にとっては、不快だったんだろうなぁ。そう思ったので、私もその男性を真似て、同じように口をへの字にし、目を見開いて顔を真似てみた。
見知らぬNew Yorkerと憧れのManhattanで、言葉は通じないが、気持ちが通じたような気がして嬉しかった。

無事にお会計を済ませ、テーブルとイスが並べられたスペースで、買ったお惣菜を食べた。けれど全然美味しく感じられなかった。きっと冷めていたことと、自分の食べたい物ではなかったからだろう。味が感じられなかった。Manhattanでは、宿のオーナー・陽子さんのお料理が、あまりに美味しかったせいもある。

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