#18 JFKターミナル内・入国手続きは鋭い目つきのおじさん。・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月1日(木)1日目 18

長蛇の列に並んだ出国手続きが、いよいよ私の番になった。
ブースカウンターの前に立つ。
中のおじさんは、段差の高いところに座っており、斜め上からキッと鋭い目つきで私を見た。一瞬身体がビクッとなる。おじさんは無言でカウンターの上に手の親指以外の4本指をトン!と置いた。
このおじさん何をしているのだろうと思っていると、今度は少し強めにバン!と置いた。あ、私に指を置けと? あ、もしかして指紋認証? 
おじさんの真似をして、私も右手の4本指を置く。すると今度は斜め上にある黒い機械を指差した。ああ、顔認証ね。成田でもやったので理解できた。
そしておじさんが何か話したが、私には理解できない。
ただ、「What」が聞き取れたので、ドヤ顔で言う。
「sightseeing!!」(観光)
日本で何度も何度も練習した単語だ。おそらくいくつか練習した英単語の中で、ダントツ1位だ。
私の本場での初英会話。するとおじさんは次の質問をしてきた。
ということは、私のsightseeingは通じたという事か。
そしてまた何か聞かれているようだが理解できない。
ただ「How」が聞き取れたので、ドヤ顔で言う。
「Three weeks!」
おじさんは納得したように、あっちへ行けと、先を指差した。
おお、3週間が通じたぞ。そしてこの時私は初めて、
「Thank you」
と英語でお礼を言った。心臓がドッキンドッキン鳴って気分が高揚した。
人にきちんと英語で返事をして、英語でお礼を言うことなど、今まで無かったからだ。
飛行機の中でおじさんに抹茶シュークリームをもらったときも
「あらぁ~、どぉ~うもすみませぇ~ん。ありがとうございますぅ~」
と、とっさに日本語で言っていたほどだ。

私のThank youが通じたかどうかはともかく、
小さなミッションを1つクリアできて嬉しくなった。

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