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大黒柱のお父さん

お父さんが家に帰って来た
通院しながらの抗がん剤で良くなったけど、ガリガリに痩せてしまった背中が切ない

私たちの子育てが終わり、ファミリーカーだったのを自分が乗りたかったクラウンにしたのが何年か前の話。大事に大事に乗ってきた。
でも、今月その車を手放して小さな車に変えた。

この間実家へ帰った時に、お父さんの運転で2人でコンビニまで行った。
その時に、『乗り心地良いだろ?お母さんがこれからは運転するから、この位でちょうど良いよな。』
って、ポツリと。
私は聞こえないふりをしてしまった。
まだまだ、お父さんには運転して欲しいし。
色んなことを諦めてほしくない。

大好きなビールを飲んで、みんなと一緒に笑いながら何でも好きなもの食べて、色んなところに旅行に行って。
仕事辞めたら、家で野菜をたくさん作って、自分の好きなように庭いじりして。
そんな日が続いていくと思っていたのに。

ポツリポツリと呟く

『いいなぁ、皆んなビール飲んで楽しそうだよな。』
『悪いなぁ、色々やらせて。』
『すまんなぁ。』
『楽しそうだなぁ。』
『美味そうだなぁ。』

悲しみが、諦めが、辛さが…
泣けてくる。

何かあったら、お父さんが助けてくれた。
何でも知ってて、何でも出来て、いつも味方でいてくれる。頼りになるお父さん。
お父さん。
まだまだ、そばにいてね。

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