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もう騙されない。情報精度を高めるテクニックについて

営業活動を推進するにあたっては、正しい情報に基づき戦略を策定、遂行することが必要です。
但し、顧客企業にストレートに聞いても警戒されて正しい情報が得られる保証はありません。
間違った情報に基づいた施策は、せっかく労力を投下して対応したとしても、
欲しかった成果が獲得できないばかりか、競合企業に情報を塩を送ることに繋がる可能性もあり、
営業活動における情報の重要さは改めて認識しておきたいところです。
これが、営業活動ではなく、成約後のプロジェクトや業務運用のシーンであれば、顧客側が正しい情報を提供しないと、
損害を被るリスクがある為、構造的にはそこまで気にしなくても良いのですが、営業フェーズにおいては諜報(情報を探り、聞き出す)のマインドが必要です。
そこで、今回は効率よく正しい情報が取得できる手法、テクニックについてのご紹介です。

1.時間差攻撃

同じ人物に対して、時間差を置いて同じ質問を行います。
回答が前回と同じ内容だったとすれば、その情報は信用できます。
一度回答を得たからと言って安心せず、重要な質問の場合はQuorifyを行うことで精度を高めます。
●例
(会話例)
自分:予算策定の時期は毎年どの時期になるのですか?
相手:そうですね、だいたい10月から11月にかけて次年度の予算を議論して確定させていますね。
<1か月後に>
自分:予算策定の時期は毎年どの時期でしたっけ?
相手:だいたい12月から年を跨いで1月くらいですね。
(解説)
1回名に聞いた際と2回目では、回答に2か月の差異があります。
どちらが嘘か、両方嘘の可能性があるということですが、
あまり興味がないので1回目に適当に回答されて、2回名聞いた際時間が経過したので、
先延ばしにされて再度回答された可能性があります。
コミュニケーションがうまくいっていないので、課題特定、ソリューション提案等においてどこかのプロセスでズレが生じており、修正かける必要があります。

2.複数攻撃

同じ質問を相手が同席していない状況で、複数名に対して行います。
回答が複数名とも同じ内容だったとすれば、その情報は信用できます。
相手によって回答が異なる場合、質問の認識が異なるか、又は質問は正しく理解していたとしても
その回答に対する認識がずれている、又は敢えて嘘をつかれている可能性があります。
●例
(会話例)
自分:現在、他にも比較されている競合会社がありますか?
相手A:そうですね、他に2社から提案を受けています。
自分:現在、他にも比較されている競合会社がありますか?
相手B:他には提案を受けていません。
(解説)
A、Bと内容にGAPがありますので、いずれかが嘘となります。
この場合、先にAから競合からの提案を受けていると聞いていますので、
Bと会話した際、その事実を確認します。
Aさんは2社から提案を受けているとおっしゃってましたが、Bさんとは返事が異なります。実際はどうなのですか?
等と言えば、Bさんの最初の回答を否定することとなりますし、Aさんから得た情報を暴露することになり、その後スムーズに進みません。
ここは、「そうですか、ではこれから提案される会社がありますか?」や「他に2社程度、提案する会社があるとの話がありましたが・・・」
等と、情報元を明かさずにさらにBさんから情報が得られるような進め方にしましょう。

3.集中攻撃

違うメンバーから同じ人物に対して、同じ質問を行います。
それぞれ質問に対する回答が同じであれば、その情報は信用できます。
●例
(会話例)
自分:最も解決すべき課題は何でしょうか。サービスの価値を高める為の品質ということでしょうか。
相手:そうですね、まずはクレームの削減、問い合わせ対応の効率化の為にも、質が大事と考えています。
~1週間後~
上司:最も解決すべき課題は、何でしょうか。
相手:そうですね、いろいろありますが、最重要はコスト削減ですね。
(解説)
この場合、聞く相手は同じにも関わらず、誰から聞いたか(聞き方もあります)によって、
回答が異なっています。
1週間そこらで重要課題が変わる可能性は高くない為、相手は嘘をついたか又は適当に答えている可能性があります。
上司が聞いたのが真実ということではなく、回答が異なったという事実を重要視し、さらに深堀って真実を暴く必要がります。
例えば、選択肢を提供して選んでもらう、敢えて最初の回答とは異なるよう促すような、「最重要はコストでしょうか?」という聞き方をしたり。

以上、3つのクオリファイ方法、テクニックのご紹介ですが、お察しの通りこれらの手法は何も法人営業に限らず、プライベートなやり取りでも効果を発揮します。相手の言っていることの信憑性を確認したいとき、ありますよね。相手が真実を語っていない場合、これらのテクニックを駆使することによって綻びが出ることがあります。ご参考になれば幸いです。

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