MEDDICを活かし、受注確度を高めましょう。

今日のテーマはMEDDICです。
MEDDICはSales活動において、押さえておくべき項目を纏めた頭文字です。
M:Metrics
E:Economic buyer
D:Decision Criteria
D:Decision Process  
I:Identify Pain
C:champion

特に高額商品やサービス、相手が大組織で意思決定プロセスが複雑であるケースに効果が高いとされており、実際にこれまで私が営業活動を行ってきて、その通りだという感触があります。私が以前にあるIT系の会社で活動していた際に教わった内容がベースとなっています。やや長文とはなりますが、なるべくポイントが伝わるように書きましたので、お役に立てれば嬉しいです。

<Metrics>

測定指標を意味します。
計測可能な数値で、顧客の求める成果を表現し、提案時には同様な課題に対して効果を出した事例を複数紹介して、まず相手の心を掴めるよう訴求します。
何をやるかは別にして、顧客企業の求める数値が、同業やこれまで同じようなサービスから切り替えた事例の中から、明確な効果が出ているのであれば、同じようにサービス活用によって効果が出る可能性が高いと信じてもらえ、実際にその通り効果が出る可能性が高いために、営業フェーズを進める1つの材料となります。

MEDDICのことを教えてもらったとき、初回プレゼンの際には、このMetricsが最重要と教わりました。全てのMetricsを提示しても情報を処理しきれない為、最も効果のあるものを選定してプレゼンにて提示します。
自動車製造メーカーに、金融機関の事例を紹介するよりも、製造業の事例を持ち出すほうが適切ですし、自動車製造メーカーの事例があれば、それをそのまま紹介するのが最も訴求力があるということです。
グローバルなサービスを展開している企業であれば、日本メンバーが知らない事例も多く存在しており、海外の同僚メンバーに、欲しい情報をリクエスト(例えば、自動車メーカー向けの事例が欲しい)を依頼して、情報をもらうということも行っていました。
ここで惹きつけて、サービスの詳細内容の説明に繋げていくことになります。

初回のプレゼンに加えて、提案先の企業がサービス導入した場合のROI見込みを提示して、実際にその通りの効果が出るとしたらどうか?を確認します。効果を試算する為に必要な情報を依頼して取得し、初回商談の後に、ROI提示をNext Stepのトリガーとして面談設定するということも多かったですね。いずれにしても、Metricsはタイミングを見て相手を惹きつける為に活用していました。

<Economic buyer>

決裁権限者です。資金を出す人のことです。
一概には言えませんが、通常は役職が上位の方となり、社長を始めとした経営層や大企業部長クラスになるでしょう。但し、大規模組織向けのSales活動において、EBと直接やり取りする機会はほとんどありません。
リソースが限られたり、必ずしもEBが選定するソリューション領域に詳しいわけではない為に、EBはその分野に詳しい部下に商品の選定活動を任せ、彼らからの報告を纏めて聞いたうえでジャッジします。
EBが全てを決めたり、意思決定に影響のある方向づけを行うわけではないのですが、上がってきた報告をいつでも拒否し、サービス選定の意思決定を覆すことができるのがEBの特徴です。

大企業であれば役員クラス、中小規模であれば社長をイメージすれば遠からずです。
コロナ以前は、Cold Callによって上位層からアプローチする手法をとっていましたが、ターゲットとしたのは、EBです。
EBは商談においては、やり取りの機会はあまりありませんが、口述のIdentify Painの確認や、Metricsを提示して関心度合を確認する等、営業活動の方向性を決める情報を得ることができる為に、なるべく早い段階で会話するのが好ましいです。
そうでなければ、企業が解決すべき課題として捉えていると聞いていた情報が、実際はどうでもよい内容であったり、選定基準に決定的な影響を及ぼすような情報が抜けていた、といった事態になるリスクがあるためです。

<Decision Criteria>

サービス選定の判断基準です。
何を重視して、サービスを選定するのか知ることは、当然ながら受注確度に影響を与えます。
顧客企業が明確な判断基準を持っている場合もありますが、通常RFP対応ではなく、こちらから仕掛けた案件であれば、相手企業も明確な基準を持っていないケースが大半でしょう。
課題を認識させて商談開始するような場合は当然の話で、Sales活動を進めながら、何なら一緒にCriteriaを作るくらいの気持ちで進めることができれば有利に推進することができます。

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