見出し画像

#14 値切りどころと,こらえどころ

~入りを増やし出ずるを制す,のは経営の基本ではあるけれど~

大阪のクライアントさんにはよくある話(いや,個人的には大阪のクライアントさんは人情味があって好きなんですよ)「せんせ,えげつない話ですけど,なんぼかまかりませんか?」とくることがあります。基本的に私はコンサルフィーの値引きはしません。ですが,私は京都に仕事スペースがあることもあり,近畿圏の仕事に関しては交通費をいくらか請求しないことはあります。

ところで,私の教え子であるビジネススクールの大学院生には,常々このように言っています。

100万円の骨董品を値切って50万円で買ったとしたら,その人は「100万円のものを50万円で買えてラッキー」とは思わない,その骨董品はその人にとって50万円の価値しかない,コンサルティングもそれと同じだ,と。

私がコンサルタントだから言うのではなく,経営者は「新たな価値のフロンティアに挑戦する」ためにコンサルティングを依頼するのであれば,コンサルティング・フィーは値切ってはいけません。値切るということは,値切った後の値打ちのパフォーマンスしか期待していないということを,天地神明に宣言していることに外ならないからです。

何かピンとこないな,ちょっと高いかもしれないな,という直感が働いたら,そのコンサルタントとは契約をしなければいいのです。コンサルティング・フィーを値切ったうえで違和感があるコンサルタントに仕事を依頼しても(コンサルタントも人間なので値切られて気持ちよくは仕事できない),きっと満足のいく成果が上がることはないでしょう。

記帳代行とか申請書代筆といった定型業務は,仕上がりが決まっているので安い方がいいということはあるかもしれません。しかしながら,自分の経験や知識では到達できない領域を切り拓くためにコンサルティングを依頼するのであれば,投入=インプットに応じた成果=アウトプットを期待すべきであることは自明の理です。

コンサルタントに丸投げして過剰に期待するのもいかがなものかとは思いますが,経営者としては,自分では思いもしない世界を見せてくれるかもしれないコンサルタントとの出逢いを大切にしてもらいたいものです。

#ビジネス #エッセイ #私の仕事 #知者は惑わず


正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html