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#69 修羅場,土壇場,正念場

~The darkest hour is just before the dawn.(夜明け前が一番暗い)~

「いっぱしの経営者は修羅場,土壇場,正念場を経験している」とは誰の言葉だったでしょうか。修羅場は,血みどろ血まみれの凄惨な争いの場という感じがします。土壇場は,もう後がない待ったなしで覚悟を決めないといけない場という感じがします。正念場は,ピンチにせよチャンスにせよここの判断と行動で未来が大きく変わる場面というような感じでしょうか。

私も20年ほど経営者をやってはいるものの,今はほぼ個人会社なのでそれほどインパクトのある経験はありません。とはいえ一応経営20年ですので,一つ一つを思い返してみました。

まず修羅場ですが,従業員,お客様,取引先ともめて,他人様と血みどろの喧嘩をしというようなことはありません。それでも一度,係争したことはあります。コンサルティング契約を交わして成果物を納品したにもかかわらず,コンサルティング・フィーを全額払わない顧客がいたのです。納品物に何かと難癖をつけて,仕事が完了してないから金は払わない,の一点張りでした。最終的にはこちらから裁判を起こし,こちらの完勝で債務名義を得たとたん,相手は全額払ってきました。修羅場というほどではないですが,いい経験ができたと思っています。

土壇場だったのは,一番大箱の銀座のレストランを閉店した時だったでしょうか。売上も大きかったですがマイナスになった時のインパクトも大きく,じりじり収益が悪化していてもキャッシュがショートするのが怖く,ずるずると1年ほど逡巡しまいました。それでも意を決して,巨大な自転車操業の運転を止めた時が土壇場だったのでしょう。あれは東京に大雪が降った年でした。諸方面に説明や交渉に行ったりするのに,大雪の中を自動車(会社の軽乗用車)で駆けずり回ったのを思い出します。

正念場といえば,事業の柱をオペレーションからコンサルティングへ切り替えるために,中小企業診断士の資格を取ろうと決心した時でしょうか。ここで合格するかどうかで,その後の会社と自分の人生が大きく変わると直観しました。集中して試験勉強をして何とか半年で合格することができたのですが,やはりあそこが正念場ターニングポイントだったのだと思います。

今,世の経営者はコロナの荒波で様々な対応を強いられていることと思います。もちろんこの荒波に乗って収益を伸ばしている会社もあるでしょうが,多くの業種は業績が厳しくもがき苦しんでいるのではないでしょうか。この状況は経営者にとっては,修羅場,土壇場,正念場,いろいろな場になっているのだろうと思います。これまで様々な「場」を乗り越えてきたご自身の経験を思い出していただき,なんとかこのコロナの荒波を乗り切って,場合によってはビッグウェーブでサーフィンをするように,波を越えていかれることを祈っています。

〔こありん先生チャンネル〕YouTube配信しています@(・●・)@

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正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html