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#12 仕事は数珠ではなく並列つなぎ

~経営はスクランブルありショットガンあり~

行列のできるラーメン店の,ピーク時の調理工程を見ていると神業のようです。私が経営していた店の中にもラーメン店があり,ランチ時にはそこそこ行列ができる店だったので,私も神業とはいかないまでもそれなりに手際よく調理できるようになりました。その当時のメニューは,普通の醤油ラーメンに味噌ラーメン,野菜やチャーシューのトッピング,調理系のスーラータンメン,担々麺,カレーラーメン,つけめんと,かなり欲張りな感じ。それで,いちどに6食ずつ,調理工程がバラバラのラーメンを同時並行で10秒以内の時間差で作れるようになっていました。

閑話休題。コンサルティングを始める際の擦り合わせで「これが終わったら次にこれをするのでちょっと待って欲しい」とおっしゃる経営者の方がいます。しかしながら私のコンサルタントとしての経験からして「これが終わってから次のフェーズに」進める人はかなり少ないのが現実です。ブレイクスルーするときは,必死で無理して歯を食いしばって,複数のタスクを同時並行してこなさなければならない,というのが実感です。自社のリソースで足りない場合は外部リソースを利用する,その場合は,知恵も,労力も,そして金も使わなければいけません。

私はラグビー歴が長くアメフトのことは門外漢ではありますが,経営にはスクランブルもあればショットガン・フォーメーションもあります。タスクに優先順位を付けるのは大切ではあるものの,その優先順位に従ってひとつずつこなさなければならないということではありません。優先順位に合わない突発事項を処理しないといけないこともあるし,優先順位を踏まえつつ軽重感をもって複数のタスクをこなさなければならないことも多々あります。

プロジェクト型の案件は,これが終わって次はこれ,という直列繋ぎではなく,これもあれも同時並行でパラレルに進めて一気に仕上げる,というような集中力がないと成果は望めません。だからこそ,タスクの優先順位しかり,依存関係の分析しかり,リスク分析しかり,およそプロジェクト・マネジメントの要諦を踏まえた,俯瞰したプロジェクト計画が必要になるのです。

#ビジネス #エッセイ #私の仕事 #知者は惑わず


正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html