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「価値基準が違う」と言い切れる強さ

鬼滅の刃をまた観てきました。
2回目の今回は、大好きなIMAXにて。

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同じ作品をIMAXとそうでないのと両方で見るのは今作が初めてでしたが、やはりIMAXは素晴らしい…
とりわけ戦闘シーンの迫力が凄まじかったです。
技の色鮮やかさと、劇場に響き渡る音響。
本当に映画の世界に入り込むようでした。

2回目の今回は、より1つ1つのセリフに自然と意識を向けながら観ることができました。
中でもすごく響いたのが、煉獄さんが敵の鬼に放ったこの一言。

「君と俺とでは価値基準が違う」

価値基準が違う。
そう言い切れるのは、ものすごくすごいことではないか。

そもそも自分の中に明確な価値基準があり、
尚且つそれを相手に押し付けない謙虚さがなければ
そう言い切ることはできません。

価値基準がぐらぐらになった転校生


父親の仕事の事情で、私は小学校3年生の時に転校を経験しました。
いじめられることこそありませんでしたが、
周囲との違いにすごく敏感になりました。
違いといっても今思えば本当に些細なこと。
「ぶどう」とか「あんこ」とか、そういう単語のイントネーションが若干違う。みんなが知っているスーパーの名前や幼稚園の名前がわからない。
そんなちょっとしたことなのだけれど、周囲と違いがあると
「あれ、私おかしいのかも…」
とすぐに自信をなくして、自分の考えを引っ込めて周りに合わせてしまう。
そんな調子でした。

「あなたとは違う」と言われた大学時代

”自分”の価値基準がはっきりしない分、その集団で力を持つ価値観に引き込まれやすい。いわゆる「長いものには巻かれろ」的スタンスは、大学時代まで引きずっていました。
大学時代にマネージャーとして所属した体育会は、インカレ日本一を目指すガチ団体。
そんなチームの中で私は、
やるからには貢献したい。マネージャーだって勝利に貪欲に、自分に出来る事に主体的に取り組むべきだ、
というかなり尖ったスタンスでいました。
もちろん、勝ちたいからという気持ちや先輩マネージャーへの憧れもその背景にはあったけれど、「日本一を目指すチームの中で、そうじゃない価値基準を持つなんてきっと許されない」という恐怖心もあったように思います。

ある時同期のマネージャーに
「私はトコみたいにはなれないから。私は私なりのやりがいを見つけて頑張るけど、トコはトコのやり方でやったらいいと思う。」
とはっきり言われました。

正直、すごく傷つきました。
マネージャー組織が一枚岩で頑張れたら、すごく強い組織になるはず。
そう思っていたからこそ、そうはなれないのかという現実に愕然としました。
彼女は、私のやり方を否定したわけではない。それなのに、深い溝のような線を一本引かれたような、冷たく突き放されたようなそんな感覚を覚えている自分がいました。

そもそも、私が信じてきたことは、私の信念だったのだろうか?
声の大きい人に流されていただけではなかった?

色んな価値観があるという気づきからの始まり


同期からの一言をきっかけに、私は自分の考えを見直しました。
考えて考えた末に、私はやっぱり、自分の意志で、自分の大学生活を懸けて、日本一になりたいと思っていた。

そして、
そう思えない人がいることも、ダメではないんだ。
価値観は1つではないから。
そして、価値観は押し付けることで変わるようなものではないから。
同じ方向を向きたいと思うなら、
相手の価値基準を尊重しながら、折り合いをつけてすり合わせていくしかないんだ。

そのことに、気づくことができました。

価値基準は人それぞれで良い。
相手の価値観を尊重する土台ができたら、不思議と自分の価値基準が他の人と違うことが、怖くなくなりました。

群れなくたっていい。1人で行動したっていい。
新入社員の泊まりがけの総合研修の最中、休日にわざわざ一人で日帰り旅行をしたりしていたのは、今思えばそんな想いの現れだったのかもしれません。

少しずつ、自分の価値基準を整えてきたからこそ、自分がやりたいことにも気づくことができた。
転職するという勇気を持つこともでき、今、この仕事についている自分がいます。

価値基準はきっと、磨き、鍛え続けるもの


それでもやっぱり、いまだに自信が持てない「基準」もたくさんあります。
音楽はまだまだ昔から好きな曲を聴くばかりで、自分から新しい曲を開拓できない。夫や友人が「これ良いよね」というと「そう?でもなるほど、良いのかもしれない…」と思う、そんな状態。
芸能人の情報にはやっぱり疎い。
お店で食べる食事や、洋服については、やっと最近自分が「好き」と思える基準ができてきたような気がします。

それはこれからも時間をかけて、多分に周りの人の影響を受けながら、磨いていきたいと思います。

そしてどんな時も、互いの違いで断絶するのではなくて、違いを楽しめるような、

「君と俺とでは価値基準が違う」

という寛大な強さを持ち続けていきたい。

そんなことを煉獄さんの言葉から、考えさせて頂きました。やっぱりかっこいいです。煉獄さん。

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