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日記「昭和生まれの女は痛みに耐える、は止めにしました」

私の母はいわゆる団塊の世代。今ではすっかりおばあちゃんだ。数十年前に閉経したであろうし更年期障害があったのかどうかもわからない。そうゆうことは一切話さない女性だ。

私が初潮を迎えたのは中学一年生の時。保健の授業でなんとなく知ってはいたけれど、本当にこんな風に出血するものなのかっ!と驚きと戸惑いと少しの恐怖心があった。母は「はいはい」と生理用品をどこかから持ってきて付け方を教えてくれた。母にも生理があることをはじめて知った。いざ生理ライフを送ってみると御手洗に時間がかかるしゴミは出るし入浴には気を使う。今までそんな素振りを見せなかった母だったから、母から自然に生理用品を手渡され、母が女性である事を改めて確認させられた感じだった。

初潮を迎えてから一年ほど経った頃だろうか。はじめて生理痛というものを感じた。それまでも多少の違和感はあったもののその日は耐え難い腹痛だった。お腹を壊したのかと思い何度も御手洗に行くがどうやら便意ではないらしい。その時、頭によぎったのがテレビコマーシャルだった。鎮痛剤のコマーシャルは「頭痛に〇〇」とよく謳っているが画面には「頭痛・生理痛」と書いてある。家の薬箱の中にも鎮痛剤があったはず。早速、母に聞いてみると返って来た言葉は意外なものだった。

「生理痛で薬なんて飲むものではない。女なら生理痛くらい我慢しなさい。」

そうゆうものなのか。私は生理痛は我慢するものだと知った。授業中に痛くても我慢した。体育の授業で体を動かすと痛みが和らぐことを覚えて、休み時間に体を動かしたりして凌いだ。そして他人とは比較できないと知りながらも私の生理痛は軽い方だと信じていた。

社会人になって経理の仕事に就いた。ほぼデスクワークだった。冬場の社内はエアコンが効いているがどうしても足元が冷える。足元が冷えると生理痛が酷くなる。体を動かすわけにもいかない。腹痛に加えて腰痛にも悩まされるようになった。社会人になってから生理痛が以前より増した。その頃になると鎮痛剤のコマーシャルも可愛いアイドル風の女の子が「頭痛、生理痛に〇〇」と謳うようになった。時代が少しずつ変わってきている。生理用品のコマーシャルも明るく親しみやすいものになっていた。自分で働いて稼いだお金だものいいよね、私は鎮痛剤を購入し飲んだ。30分もすると身体が軽くなる。時代は21世紀に突入していた。

2017年「生理ちゃん」という漫画が話題になった。2019年には映画化もされた。生理は恥ずかしいものでもなければ、生理痛は我慢するものでもない。正しい知識と正しい対処法で上手に付き合ってゆくものだ。それは女性だけでなく男性の少しの理解で大きく変わるのである。

さて今日は私とても重い二日目。迷わず鎮痛剤を服用。痛みが治まるだけで快適な生理ライフになるのだ。女性にとって生理は厄介なもの。でも私の生理ライフもあと数年で幕を閉じるだろう。そう思うと毎月の生理も愛おしく感じるのである。

後悔している事がある。夫に生理ついて何も言わずに今まできてしまったこと。結婚前も結婚後も痛みやPMSで情緒不安定になる事は伝えていない。生理用品もゴミも隠している。ちゃんと伝えて協力してもらえば良かったと思っている。その代わりなのか娘は生理がくる度に夫に伝えあれしてこれしてと甘えている。夫も悪い気はしないらしく労わってやっている。平成生まれの女はなかなか上手い。

#日記  #生理 #生理痛 #生理ちゃん 
#我慢に代わる私の選択肢

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