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easy poem「渋谷、炎天下」

坂の多い街を
Googleマップに従い歩く、が
もう迷っている
複雑な路線、が絡み合う
人と人と、が絡み合う
携帯扇風機の熱風、が絡み合う
言葉を繋ぐ術、はなく
Googleマップは知らない涼、を求めて
寂しさの目線、だけが絡み合う

山手線の高架下を何度もくぐる
たぶん同じ景色を徘徊している
たぶん同じShibuyaほにゃらら
を、何度も見上げている

犬の銅像を外国人がスマホに収める
世界のあちこちの画面の中で
ハチは誰かひとりを待っている
左耳が垂れたハチだけが
ただそこで人々の言葉を聞いている

だから私はハチに言ったんだ
田園地帯の片田舎の町のバス停で
誰かひとりを待って佇んでいたい
と、
ならばGoogleマップでさえも
迷うことはあるまい
ならば炎天下どこに向かって
歩いているのかさえも
迷うことはあるまい

#詩 #日記

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