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年末の、とある日。

クリスマスが終わると一気に高まる年末感。
皆さま、いかがお過ごしでしょう。


いつものスーパーでは年末セール、
がらんとしていた通路に所狭しと並ぶワゴンには、
上にかけた布が取り払われる瞬間を待つ福袋たち。


(この街の何処に、こんなに人がいたんだろう)
と思ってしまう程の人出。

我が家はいろいろな事情を抱えつつも、
年末年始の帰省や旅行をしないことにしました。

それ故に、買い出し先で一家団欒の風景を見かけると、
素直に微笑ましいなと思います。


(運転ができないので)年内最後と、
タクシーで市内の動物病院を目的地に、
血尿と膀胱炎に悩む主(愛猫①)を連れて行きました。


その時はまだクリスマスよりも、
少し前だったけれど、
タクシーの運転手さんから又聞きの又聞きで、
「いま、新幹線の乗車率が100%らしいよ。」
と言われました。


(関東から北へ南へと向かう人は多かろう)
と思いつつ、移動用ケージの中の猫を見やります。


「猫を飼う」ということは、
長らくの外出、たとえば3泊4日の旅行などの選択肢
が無くなるのとほぼ同義なので、
(へぇ、そうか。)くらいの感覚なのです。


「そうなんですねぇ。」とかなんとか、
生返事を返す私を見かねてか、
「昔は乗車率150%とかあったのにねぇ。」とぽつり。



(あぁ、あったね。)

(そんな頃があったね。)



新幹線の自由席号車目掛けて走り、
トランクの上に座ったり、
座席の持ち手のポジションを確保したことも
昔はあったっけ。

そんなこと、とっくのとうに忘れていました。


運転手さん、ナイスぽつり。
懐かしい。

でも、もう長距離移動は座っていきたいな、
なんて体力の無さのことばかり考える私です。


やがて、街に人が戻り、
(それは一時のことかもしれないけれど)
静かなこの街しか知らない私にとって、
冒頭の一家団欒や人出の多い光景は、
それはとても新鮮であったかい風景なのでした。


私は、先のことを考えてばかりきたけれど、
その為に何かをしてきたけれど、
こういう時間をないがしろにしてこなかったかな、
と少し思い返すのでした。


優しい時間が大切。


きっとみんな実感してきているのだけれど、
いつ気付いたって遅くはないんだ、
と自分自身に言い聞かせています。


年末年始、なに、しますか?

とい。