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いつまで経っても母の味。

こんばんは、といです。
6月も、もう終盤なんて信じられません。
でも、太陽は早く昇るし、遅くまで照らしてくれます。

(これが現実である)と教えてくれます。

今回は、
いつもコメントで元気と応援を頂いている、
拝啓あんこぼーろさんの企画に、
参加させていただこうと思います。
(最終日に滑り込みになってしまいました。)


子供時代の私と椎茸

子供の頃、買い物が苦手だった私は、
あまり買い物に付いて行きませんでした。
人酔いしてしまって、気分が悪くなってしまうから。

そんな私がもう一つの苦手だったものは、
椎茸の匂いです。
特に、お節のシーズンになると、
家の中いっぱいに椎茸の匂いが充満します。

出来上がったぬるっとした茶色い質感と、
その匂いが苦手でした。
「お節の具には、ひとつひとつ意味があるのだから、
一種類ずつ食べなさい」と言われ、渋々食べるか、
こっそり食べないか選択していたような気がします。

大人になり干し椎茸を知る

一人暮らしを始めてから、
生の椎茸に匂いがないことに気付きました。

(何故うちはあんなに椎茸臭かったのか)

ある日、一人暮らしの娘(私)に、
家からの支給品が届きます。
その段ボール箱の中に入っていたのが、
干し椎茸でした。

そこでやっと気付きます。
(椎茸を水で戻してから、
煮ていたから椎茸臭が凄かったのか)と。

(手間暇かかった椎茸だったのだ)と。

一転、椎茸好きになる

私はそれ以降、味を煮含めた椎茸が好きになりました。
そうすると、不思議と匂いも苦手ではなくなりました。

まだ、母のように手間暇かけて作る自信はありません。
だから、里帰りする、1年に1回あるかないかの機会には、必ずリクエストしています。

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一度に沢山作る、私の母の「椎茸の甘煮」
どこで手に入れたのか分からない程、巨大なタッパーで
送られてくることもしばしば。


いつか母の味を最初から再現できるように、
料理ノートを作りたいと思っています。

同様に再現したい類の母の料理は幾つかあるのですが、
何故だか調味料の割合がざっくりし過ぎていて、
いつも(え?!)で終わってしまいます。

「娘さんと結婚させて下さい」のときの椎茸

実家あいさつ(嫁の家ver.)の時にも、
椎茸が登場しました。

(年始か!)とツッコミたくなるほどの量と種類の料理の中で一際異彩を放っていた椎茸。

どーん!

出された料理をひたすら食べる私たちに、
「あ、ちらし寿司あるから控えめにね」と席を立つ母。

顔を見合わせ(もうだいぶ食べた)と確認し合う私たち。
そのもとに運ばれてきたのは、
どこからどう見ても、「海鮮丼などんぶり」。

(いや、おかん、これほんとにちらし?)


「はぁ、これで全部、ぜんぶー。」という母に、
「そんなに頑張らんで良かったのに。あと、これちらしじゃなくて、海鮮丼じゃない?」という私。

「あ、確かにそうね!?気付かなかったわ!
好きそうなの、のせたの!」


やっぱり母の味

母のことを(こんなにgoing my way な感じだったかしら)と思いつつも、私もきっとこんな感じになっていくのではないかな、と思う私です。


「椎茸きらい」という姪に、
「え、こんなに美味し〜いのに、食べないの?えー!?」と言って食べてみせる叔母(私)。

しばしの間隔が空いた後、
「うーん、食べてみる!…美味しい!」と言う姪。

(昔自分はあまり食べれなかったことは、内緒です。)


台所から出てきた母は、
「一度も食べようとしなかったのに!」と閉口。

してやったりな私と姪。


椎茸大好き、作り続けてくれてありがとう、母へ。

企画をありがとうございます、拝啓あんこぼーろ様。

※トップ画像はヨシタケシンスケさんの応募で当たった
「どうでもいいことしかかいちゃいけないノート」の
お題に沿ってイラストと言葉を書き足しています。

とい。