たとえ旅行に行けなくても、絵画で風景を楽しむ 「日本画聖地巡礼-東山魁夷の京都、奥村土牛の鳴門-」
この週末は今年最後の三連休とのことで、旅行に出かけた方も多いのでは。
わたしは3日は祝日出勤だったのでいつも通りの週末で、なかなか旅行にも行けずにいます。
先日、せめて絵画で各地の風景を楽しもうと山種美術館で開催中の「日本画聖地巡礼-東山魁夷の京都、奥村土牛の鳴門-」へ。
(写真は全てこの展覧会のちらしからお借りしています)
ちらしの表面の東山魁夷の四季を描いた4作品も見事でしたが、それ以外にも岩橋英遠、奥村土牛や山口華揚など、様々な画家が北海道から沖縄まで各地の名勝を描いた作品には現地の写真も添えられていて、まるで各地を旅行しているよう。
奥村土牛の「鳴門」は実際に見た鳴門の渦より荘厳でしたが、鳴門の渦を見た後バスツアーで訪れた大塚国際美術館のことを思い出したり、山口華揚の「木精」からは本当に大樹の魂のようなものを感じたり。
中でも印象的だったのは青森の奥入瀬渓流の紅葉を描いた奥田元宗の「奥入瀬(秋)」。
壁一面を埋めるような大きな作品で、赤々と染まった紅葉の下を、さらさらと勢いよく流れる水の流れの音が聞こえるよう。
絵の前に置かれた椅子に座り、しばらくその見事な紅葉を楽しみました。
わたしが中学生の頃、札幌の中学校の修学旅行の定番の行き先は東北地方。
わたしも2泊3日の修学旅行で青函連絡船に乗り、青森と秋田に行きました。
わたしが行ったのは確か5月で東北はまだ肌寒く、奥入瀬渓流に行った日も小雨が降っていたので、奥入瀬散策はバスからの見学だけになったのでした。
今回奥田元宗の作品と、彼の赤く染まる奥入瀬とは対照的に黄金色に紅葉した奥入瀬を描いた石田武の「四季奥入瀬 秋韻」を見て、
紅葉の時期の奥入瀬に行ってみたくなりました。
奥入瀬に限らず、今回の展覧会を見て行ったことがあるところにも、行ったことがないところにも、のんびりと旅行したくなりました。
ちなみに、今回会場内で撮影が許可されていたのは、奥村土牛「山中湖富士」の一点のみでした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。